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巡回診療:シュクバ村

2007年5月23日 更新
患者さんたちに薬を渡す保健衛生士患者さんたちに薬を渡す保健衛生士

パレスチナ医療救援協会(PMRS)は、壁や入植地の建設とそれに伴う道路の建設によって、医療や教育、仕事などへのアクセスが困難になっているパレスチナの村を訪れて診療など医療活動を行う「巡回診療」を行っています。

今日は、パレスチナ西岸の西部にあるシュクバ村での巡回診療に参加しました。PMRS本部のあるラマッラーからシュクバまでの道沿いには、いくつもの入植地があり、またチェックポイントを越えていかなければなりません。チェックポイントには常設のものに加え、いつどこに出現するかわからない「フライングチェックポイント」と呼ばれるものもあり、そこで待たなければいけない時間も予測不可能です。

シュクバは、人口4,000人の大きな村です。村にはクリニックが1つありましたが、経営する資金がなくなりずっと閉まったままだそうです。村のある家のスペースを借りた今日は、2人のドクターと2人の保健衛生士が診療を行い、女性や子どもを中心に125人もの患者さんが絶えることなく訪れました。普段使っている薬を持ってきて、ドクターに現在の症状を診てもらって薬が適切か確認してもらう人もいれば、子どもの具合がよくないと相談に来る人もいます。診療には3シェケル(約90円)、薬代にも3シェケルを払いますが、通常医師にかかって薬を買うには長距離の困難の多い移動とそれよりもずっと高額な治療費がかかるため、村の人々はPRMSの巡回診療を心待ちにしているそうです。小さな子どもが突然熱を出してどうしたらいいかわからず、近くに行ける診療所もないので不安だった、と相談する女性もいました。ドクターのジャミール先生は一人ひとりの話を丁寧にゆっくりと聞いて診察を行い、それぞれに処方箋をわたしました。

もう一人のドクターと保健衛生士さんたちも、大忙しなのにもかかわらず一人ひとりに笑顔で接しているのが印象的でした。患者さんたちは、待つのも苦にせずおしゃべりに花を咲かせます。その2階では、数十人の村の女性たちが集まって養蜂などの雇用創出プログラムについての講習を受けていました。診療の終わった後には、手作りのパレスチナの伝統料理を振舞ってくれたおばあさんもいました。一日を通して、村の人たちの繋がりの強さともてなしの心を感じることができました。

診療の始まる前、村のおばあさんが私たちを村の端の畑の方に案内してくれました。そこは村の敷地内なのですが、すぐそこまでフェンスが迫ってきており、村人が畑に出るとイスラエル軍に攻撃されることがあるので農地を耕すことができないとのことでした。せっかくきれいに整地した畑には雑草が茂っています。オリーブの木の間に隠れるように畑を耕していた村人たちもいたのですが、イスラエル軍が進入してきて何かを埋めることもあるらしく、金属探知機のようなものを使いながら作業をしていました。ただでさえアクセスが制限されているのに村の中に農地があっても農業をできないことが、案内してくれたおばあさんは悔しくて仕方がないようでした。

雑草の茂った畑の向こうには入植者の作ったフェンスが見える雑草の茂った畑の向こうには入植者の作ったフェンスが見える

イスラエルは、入植地を取り込むように壁をどんどん西岸の内側へと建設しています。この村もいつかは壁によって完全に孤立してしまうかもしれないと、ジャミール先生は不安そうに言います。村の人々の生活は、日々脅かされています。この状況がこれ以上悪くなることのないよう、祈らざるを得ませんでした。


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