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静まり返ったガザ

パレスチナ現地代表 小林 和香子
2006年8月22日 更新

8月22日、2年ぶりにガザに入りました。イスラエルとガザの境界上で人間が通過できる唯一の検問所エレツ。2年前はトタン屋根だけがある、パレスチナ人用の通路と検問所と、VIP用の通路と検問所に分かれていました。当時パレスチナ人労働者は、境界線からほど近くに立てられた、イスラエルの工業地帯で安い労働力を提供するか、夜が明ける前から検問所にならび、うまくイスラエル側に出られれば、検問所を出たところで日雇いの仕事を探していました。しかし、今の検問所付近は、ひっそりと静まり返っています。イスラエルの工業地帯は閉まったままだし、イスラエルに出稼ぎに行けるパレスチナ人はいません。新しく出来た検問所もパレスチナ人と外国人・VIPとをわけていません。ここで見かけるパレスチナ人は、救急車でイスラエルの病院に運ばれる人など特別許可が取れた人だけです。

さらには、検問所に隣接して、国際(?)会議場が建築中です。これが完成すれば、ガザの政治家や団体代表などは、イスラエルに入ることなく、ここでイスラエル側や外国人と会議が持てるようになるわけです。外国人もこの会議場でガザの人と会えるようになれば、危険な(?)ガザの中にイスラエルの許可を取ってわざわざ入らなくても済むようになります。イスラエルの工業地帯と同じ発想ですね。ガザと西岸を結ぶ道はどうなったのかな?

イスラエルがガザから入植地と軍事拠点を撤退した2005年夏、ガザの人は生活が自由になることを期待していました。確かに入植者がいなくなり、ガザの真ん中にイスラエル軍の軍事拠点がなくなったことで、ラファやハンユニスなどのそれらに隣接して住んでいた人々は、日常的な生命の危険を感じなくて済むようになり、検問所により南北で分断されていた主要道路はスムーズに走れるようになりました。
 しかし、世銀が言うように、空域、海域、領域の管理を始め、インフラの管理や、労働者の管理は、一向に変わらないため、ガザの生活は何も良くなっていません。それどころか、2006年1月のハマスの政治政党がパレスチナ評議会選挙で圧勝してから、パレスチナ自治政府への各国からの支援とイスラエルが代理収集している税金の引渡しが滞り、パレスチナ人の公務員のお給料はほとんど払われていません。
 さらに、6月末のハマスの武力グループのイスラエル兵士拉致に対するイスラエル軍の侵攻で、ガザの電気発電所や主要道路が破壊されました。ガソリンなどの輸入も制限されたため、価格が高騰しました。一般の人々は、出稼ぎの仕事もなくなり、公務員でさえ現金収入が途絶え、高いガソリンが買えず車を運転することも出来ず、電気も水も制限されている家で一日過ごすしかないのです。街を行くのは、かろうじて仕事がある人々か、ロバで水を運ぶ子ども達です。


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