アジア・中東・アフリカで活動する国際協力NGOです。
  • JVC facebook
  • JVC twitter
  • イベントメルマガ配信中
  • 文字サイズ:大きく
  • 文字サイズ:中くらいに
  • 文字サイズ:小さく
JVC English website

弱い子どもから犠牲に

パレスチナ現地調整員 藤屋 リカ
2006年7月30日 更新

29日、「人間の大地」ハンユニスセンターに向いました。海岸沿いの道を通って南部に向いました。途中の橋も今回のイスラエル軍の軍事攻撃の初日、6月27日の夜に破壊されました。乾季の夏は橋の下の道を通れますが、問題は雨季です。移動やそれに伴う人々の移動が本格的に大変になるのは、雨が降り始める秋以降なのです。

途中の町、ディル・バラハの住宅地につながる主要道路には、コンクリートの障害物が道路に置かれ、車は速度を落として蛇行しなければなりません。これは、軍事侵攻で戦車や装甲車が入ってきたときに、少なくともこの道は通れないようにすることが目的です。思いのほかハンユニスに着くまでに時間がかかりました。

ディル・バラハ:バラハは「ナツメヤシ」の意味ディル・バラハ:バラハは「ナツメヤシ」の意味

体重測定体重測定

「人間の大地」センターには、栄養失調の子どもたちが連れてこられています。

センターセンター

この日だけで栄養失調の程度が重くセンターに治療食のために通う必要がある子どもが、新しく10人もいました。連日、40-50人の子どもが栄養食による治療のために連れてこられます。来られるかどうかは軍事侵攻や攻撃に影響されていますが、登録している人数は増える一方です。

11ヶ月になるアヤは、5月半ばに小柄なことを心配した母親がセンターに連れてきました。軽度の栄養失調で2週間に1回センターに通い、栄養指導を受け体重の増え方を確認し医師の診察も受けました。母親はとても熱心でアヤの栄養状態は改善、7月6日には体重も7.2キロまで増え、3週間後にセンターに来ることになりました。

アヤと母親アヤと母親

29日にセンターに来たとき、体重は6.3キロと1キロ近く減っていました。すぐに治療が必要な中等度栄養失調に悪化しています。アヤは2週間以上下痢が続き、食欲も落ちて弱ってきていました。別の診療所で治療していましたが、一向に良くならずにいました。「人間の大地」で基本的な検査を受け、薬も変わりました。看護師から個別の栄養指導も受け、翌日から週に3回は、栄養食のためにセンターに通う予定です。
7月9日の時点でWHOガザ支部は、軍事侵攻・攻撃によるインフラの破壊に伴い安全な水の確保の困難や衛生状況の悪化から、子どもの下痢症が蔓延していることを指摘していました。やはり、弱い子どもから犠牲になっているようです。

センターの代表のハナンは流産のため仕事を休んでいました。
彼女は妊娠5ヶ月で安定期に入っていました。順調だったのに急に胎内で子どもは死んでしまいました。すでに大きくなっていたので薬を使っての分娩になりました。陣痛促進剤による痛みと3日間戦って、死んだ胎児を30日に出産しました。
子どもには特に問題はなかったといいます。多分、爆音等でのストレス、仕事がハードになったこと、侵攻下あらゆる生活の困難、、、、、その様なことが重なったのだろうとのことでした。
今回の侵攻が始まる直前にも2週間前にも一緒に仕事をしていましたし、ずっと電話で連絡を取り合っていましたが、いつも状況とか仕事の話ばかりで彼女が妊娠していることさえ知りませんでした。状況がこんなではなかったら、ごく普通に彼女の生まれ来る子どもの話をしていたことと思います。
幼い命のために奔走していた彼女が、生まれてくるはずだった命を失ってしまったことは、辛いことです。(7月30日)


団体案内
JVCの取り組み
11ヵ国での活動
イベント/お知らせ
現地ブログ
あなたにできること
その他
特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター
〒110-8605 東京都台東区上野5-3-4 クリエイティブOne秋葉原ビル6F 【地図】
TEL:03-3834-2388 FAX:03-3835-0519 E-mail:info@ngo-jvc.net