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ラオスMonthly Report (2009年3月)

JVCラオス現地代表/農業農村開発担当 平野 将人
2009年4月30日 更新

カムアン県の農業の取り組み視察

現在、サワナケート県のK村にて活動の立ち上げを行っているが、村人と話す中で、しばしばカムアン県のサイバトーン郡の活動が出てくる。

キノコ栽培小屋の中キノコ栽培小屋の中

K村はサイバトーン郡に隣接しており、川向こうのサイバトーン郡側に田んぼを持っていたり、他県ながら身近な土地なのだ。このため、同郡で見てきた活動に興味を持つ村人が多い。支援活動を行っているNGOに連絡を取り、村人から要望が出ていたキノコ栽培や果樹栽培を中心に視察させてもらった。今回の視察は、逆に今後行う活動の教訓を得るものとなった。というのは、キノコ/果樹栽培ともにその難しさが印象的で、キノコを売って現金収入を得た家族とも話したが、手間がかかり労働力が足りない、栽培手順がたくさん有り大変で止めてしまった家族が少なからずいた。果樹栽培でも、接ぎ木に失敗するなど、苦労しているようだった。

この視察結果をK村の人々に報告するにあたって、落胆させてしまうことを懸念したが、村人からは「別のキノコ栽培方法を知っているので、やはりあきらめたくない」との声が挙がった。この別の方法というのも他所の村で見たものだそうなので、また調査を進めていくことになる。村人が関心を寄せる活動はやりたいと思っていても、なかなかできないものだったりする。村人の暮らしの現実に折り合うことのできる活動をどうやってサポートしていくのか、周辺のリソース発掘も同時に行っている。

魚保護区の実施に向けて、スタディーツアー決定

K村では乱暴な方法で魚を捕る村人がおり、魚保護区を設置したいという希望が挙がっていた。実は、村内を流れるセーノーイ川には幼魚が育つ淵があり、これを保護し減少しつつある魚を増やしていきたいと多くの村人が考えていた。

舟に乗っていざ保護区見学へ舟に乗っていざ保護区見学へ

この声に応えるため、JVC森林チームでサワナケート県内の魚の保護活動を行っている団体や村について調べたところ、WWFの支援で設置した魚保護区が成功している村があることが分かった。この視察を行った結果、この村の村人は保護区設置後の魚の量の増加を実感しており、スタディーツアーとしてこの魚保護区の活動を見ることはK村にとっても非常に学びになることが分かった。

しかしながら、スタディツアーは提案のしかた、タイミングによっては、村人が受身になることも考えられる。このため、過去に一度魚保護区を設置しようとして失敗した際の経験について徹底的に話し合ってもらい、問題点や改善点を明確にした後で、モデル村の紹介を行った。もしこの村の人々に会ったらどんなことを聞きたいかなどを引き出した上でスタディツアーを提案した。村内の会議は議論沸騰、過去の失敗について率直な意見も出る中、最終的に「同じサワナケート県の村人が成功させているのだから、我々だって強い意志と団結を持って臨めば成功する」というある村人の言葉に象徴されるように、もう一度がんばろうという方向でまとまった。こういう言葉を聞くときは、非常にうれしく、同時に責任を感じる。

新規対象村の候補地を調査

現在、JVCの活動を行っている村は2村だが、今年度中に5,6村まで拡大し、最終的に3年間で15村まで活動を広げていく予定である。このため、郡の農林局にJVCの活動対象村の候補を挙げてもらった。ラオスでは、活動を行う際には必ず郡や県行政を通して実施せねばならず、勝手に村々を訪問して調査等を行うことはできない。JVCからは米不足の世帯が多いことなど選定基準を伝えた上で新規対象村の候補となる村を4村選んでもらい、調査を行った。この調査で最も印象に残った事柄について紹介したい。

伝統知識で深井戸を直す

自分たちで直した深井戸の前で自分たちで直した深井戸の前で

ある村には深井戸を直せる人が何人かいた。どうやって直すのかと聞くと、「伝統知識を用いて直す」とのことだった。これまであちこちで目にしてきた、援助団体に支援された後に故障したまま放置されている深井戸が頭をよぎった。このような村の人材を最大限活用することが持続的開発の鍵になる。実際にどのように井戸を修理しているのか、その実力のほどを見る機会を持っていきたい。

主張する村

今回訪問した4村のうち3村は企業との間に土地問題を抱えていた。しかし、ある村はその対応が印象的だった。サトウキビ会社に自分たちの土地が整地され、不満を持っているのだが、被害額を見積もり郡に訴え出たり、またカメラを調達して証拠写真を撮ったりと非常に積極的に活動している。また同社が川の周辺の木を切ったために水位が下がり、さらに同社の利用する化学物質のせいで水質が悪化したとして郡知事に訴え出ている。小数民族の村なのだが、稀に見る「主張する村」だった。

ラオス行政とのプロジェクトについての覚書締結から2ヶ月以上が経過し、K村の村人とはだいぶ関係ができ、また新規対象の候補村にもそれぞれ多くの問題とともに資源も発見した。これから活動を多様化、本格化し、対象村も拡げることを検討していかなくてはならないが、「こなす」という感覚に陥ることなく、あくまでも着実に進めていきたい。

「土地森林委譲」会議出席

JVCでは、村人の共有林を正式に登録する「土地森林委譲(LFA:Land and Forest Allocation)を森林保全活動の中心に行っている。

LUPLAによる土地利用について書かれたボードLUPLAによる土地利用について書かれたボード

現在、その制度見直しが行われており、LUPLA(Land Use Planning and Land Allocation)という呼称で土地利用の方策とその土地利用に合わせた森や土地の委譲を主眼にマニュアル作りの改訂が行われている。3月13日に政府機関、NGO、国際ドナー、企業などから70名が参加し、LUPLAのマニュアル改訂に当たっての会議が行われた。JVCからは森林担当スタッフの2名が参加した。

これまでのLUPLAの経験、経緯、そして今後のLUPLAの目的やアプローチについての説明に加えてグループに分かれてのディスカッションもあり、JVCは村人が新LUPLAから受けるべき恩恵について討議するグループに参加した。この会議では「企業はLUPLAの実施主体となるべきではない」などの様々な指摘があったが、一方で、今後どのような段階を踏んでLUPLAマニュアルが正式に作成、実施されていくのかの道筋が見えなかった。このため、会議後にJVCを含めたいくつかのNGOで話し合いを持ち、今後のNGO側での協力方法など検討を行った。


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