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ダムに沈んだN村

ラオス森林プロジェクト担当 尾崎由嘉
2008年8月 1日 更新
移転したばかりのN村移転したばかりのN村

カムアン県でのプロジェクト終了を間近に控えた8月下旬、ナムトゥン2ダム建設のため、移転したナカイ郡N村を訪問しました。昨年11月にもこの村を訪問しましたが、その頃はまだ移転する前で、村の人達も「いつ移転するのか分からない。準備はしているけれど、、、」と言っており、普段どおり生活していました。それから半年の間に、移転が行なわれ、村はダムに沈みました。現在、村の人々は数�q離れたエリアに用意された新しい家に移っています。以前は、村の中に多くの大木があり、代々続く伝統的な家に住み、森と田に囲まれて暮らしていましたが、移転地では、ダム建設会社に用意された同じ形の同じ大きさの家に暮らしており、土地が限られた日本の団地生活を思わず、連想しました。

各家庭に支給されている舟各家庭に支給されている舟

訪問した時はちょうど昼時だったのですが、村には子供と女性しかいないようで、家々から子供達の声は聞こえるものの、赤土の埃が舞い、静まり返っていました。男性は皆、ダム建設の労働に出ているようでした。そのような中、移転前から十数年間森林ボランティアを担ってきたBさんが出迎えてくれ、女性達も20名程集まって、移転後の生活の変化を語ってくれました。「移転して、ずいぶんと生活は変わった。村の移転に伴い、ダム建設会社は、補償として家、水、学校、診療所、電気、道の改修、現金収入手段という7つの約束を村人にした。このうち、ほぼすべての約束を果たしてくれている。しかし、未だ、現金収入手段の確保はできていない。」診療所や学校が村の中にあることの安心感を村人は語っていましたが、これまで生計を立てていた田畑や森を手放している中で、今後の食料確保の不安は隠せない様子。当面の支援として、お米が支給されていますが、来年以降どのようにお米を手に入れるのか、答えは見出せていません。現金収入の手段を確保するため、家畜や野菜栽培研修等行われているようですが、特に年老いた人々は「どうやって食べていったらいいのか、、、」と、こぼさずにはいられません。

森林ボランティアを十数年間担うB氏と森林ボランティアを十数年間担うB氏と
田も道もすでに水の底に田も道もすでに水の底に

以前生活していた村の地域を再訪してみると、昨年までは、牛も自由に野放しにでき、田畑が拡がっていたエリアは、すでにダム湖の底となっていました。数メートルの高さの竹や樹木も水に沈み、わずかに頭が水面から出ている程度。同行した村人は、自分の庭の大切にしていた果樹を指差して、「毎年実をつけてくれて、実が採れる時期をいつも楽しみに大切にしていたんだ。これからあと5m水位が高くなるから、この木も沈んじゃうね。」と、別れを惜しむように語っていました。

村の上流では、川幅も増し、数メートルの樹木が沈み始めている村の上流では、川幅も増し、数メートルの樹木が沈み始めている

もうすぐ沈む実がなる木もうすぐ沈む実がなる木

村を移転し、田畑を手放すことになった村の人達は、そこかしこに陸稲を栽培しており、今まで水田で確保してきた米の収穫を補うべく、様々な試みと共に暮らしています。
田畑だった場所が湖に変わり、水面に移る青々とした広い空と白い雲が印象的なナカイ郡訪問となりました。

今まで使っていなかった土地で稲作り今まで使っていなかった土地で稲作り

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