イラク・ヨルダン現地情報
現地だよりで以前ご紹介した2011年夏休みのワークショップに引き続き、2012年の冬休みにも、キルク-クで「こどもたちとつくる地域の平和」ワークショップを実施しました。そしてこの5月11日(金)~12日(土)の二日間をかけて、JVCから2名担当者がクルド地区のスレイマニヤを訪問し、キルク-クから車で約1時間半の道のりをかけてスレイマニヤに来ていただいたワークショップ参加者の子どもたちやその保護者の方々、地域住民の方々にお目にかかることができました。【残念ながら未だにキルク-ク現地の治安が良く無いので、外国人であるJVCの日本人スタッフが現地を訪問することができません。】
【スレイマニヤ会議の参加者(現地側)】
1.INSAN(現地パートナー)スタッフ
INSAN代表 アリーさん
INSAN現地調整員 インティサールさん
ワークショップ講師 サウサンさん
INSANドライバー モハメドさん
2.ワークショップ参加者とその保護者
ヨーセフ君(5年生)とそのいとこのラーエドさん(警察官)
アラクさん(4年生)とその妹(5歳)とその母親(主婦)
3.地域住民、INSANボランティアスタッフ
ガ-リブさん(隣町の校長先生)
モハメドさん(ラパリーン地区住民。理髪店主)
オマールさん(INSAN学生ボランティア)
ババさん(地域の名士で市役所の職員。末息子がワークショップ参加者)
ラーエドさん(INSAN海上スタッフ(警察官のラーエドさんとは別人)
ジヤードさん(INSAN学生ボランティア)
今回で通算4回目の実施となるワークショップでは、実施後の振り返りの中で、子どもたちが参加することでどのように変わったのか、家族をはじめとする地域の人びとに影響を及ぼしているのかを見ることを狙いとしました。このため、前回の夏のワークショップを終えた後の振り返りの段階から、子どもたちが参加している間にただ楽しんで絵を描いて良かったということだけで終わらないように、ワークショップの場がどれだけ平和のための学びの場になるのかということを、現地の実施協力団体であるINSANのスタッフも真剣に話し合いました。
その結果、INSANが考え出した方法は、冬休みのワークショップでは、毎回のセッションの中で、絵を描くこと、寸劇に参加すること、ゲームを楽しむことのそれぞれに課題を設定することでした。課題としては、(1)コンフリクト・マネジメント(対立、衝突があった場合、どのように解決していくか)、(2)子どもの権利、(3) 学校で起きる問題と子どもたち自身が持つ責任、(4)身の回りの 出来事で考える平和構築、(5)落ち着いた・平和的な態度、などです。INSANスタッフは毎回のセッションごとにフィードバックを行い、どのような学びがあり変化がもたらされたかを毎回話し合い、評価しています。
その1:キルク-ク
4月19日にイラク各地で道路脇に置かれた爆弾や車両を使った爆弾による攻撃が20回以上発生し、少なくとも36人が死亡、約150人が負傷した。(バグダード発ロイター通信4月19日より)
この日の攻撃の中には、北部キルクークで起きた警察を狙った攻撃も含まれ、車2台を使った爆弾により、4人が犠牲になり、24人が負傷したとされている。
イラク戦争開戦からちょうど9年目に当たる3月20日にも、イラク全土の30カ所で爆発があり、少なくとも52人が死亡していて、それ以来の全国規模の同時多発攻撃である。
19日の午前中に起きた攻撃の影響が心配されたので、その日の夕方7時過ぎにキルクークとバグダードに電話をして様子を聞いた。
7月に「始まります!との案内をさせて頂いた、イラク中北部キルク-ク県キルク-ク市での「子どもたちとつくる地域の平和」ワークショップは7月10日に始まり、以後、毎週3回の割合で順調に進められています。
残念ながらキルク-クの現地は治安が不安定で、支援をしているJVCの担当者でも現場を訪問することができません。現地パートナーのイラクNGOの INSAN Iraqi Society もJVCの日本人スタッフの訪問に賛成しません。活動の模様を良く知っている参加者の子どもたちや保護者の方々は訪問を歓迎してくれますが、それ以外に、悪意を持つ人々がいつ、どこで外国人の訪問を見ているかわからず、活動が誤解されてはいけないというのが理由です。
そこで、何人かの子どもたちとその保護者の皆さんに、別の場所でお会いすることにしました。現場のキルク-クから車で1時間余りの近距離にありながら、治安が比較的安定しているイラク北部のクルド自治区内のスレイマニヤ市がその場所です。
ここ数年来、治安が改善されて来たと言われるイラク。しかし、8月15日(月)は南部の都市クートなど18都市で爆弾などによる連続攻撃があり、74人が死亡、300人が負傷し、2010年5月以来、最悪の攻撃となったと報じられている。(AFP通信、8月16日)
イラクでのJVCの取り組み
JVCは2009年度から、緊急に必要な医薬品や食糧などの提供に留まらず、地域の人々との関わりを深め、地域の人びとによる復興の努力を支援することに重点を置き、イラク中北部のキルクークで地域支援の活動を行っています。キルクークは、クルド人が多数を占めるイラク北部のクルド自治区と、アラブ人が多数を占める地域の境目に位置し、アラブ、クルド、トルコメン、アッシリアなど、多民族の住民が集住する一方、石油資源を巡る利権争いにより、一触即発の対立が起こりかねない地域とされています。JVCは、イラクのローカルNGOのINSAN※をパートナーに、この地域の社会活動支援の一環として、「子どもたちの平和ワークショップ」を行い、子どもたちの交流を通して、大人も含めた地域の人々の交流や対話を促し、相互理解を進めることによって、人々の対立を防ぎ、地域の平和づくりに貢献することを目指して活動を進めています。
※ INSANのホームページはこちら → http://www.insaniraq.org
今回は6月5日からイラクの隣国のヨルダンに滞在中である。昨年の大晦日に成田に到着して新年からずっと日本滞在が続いていたが、3月11日に東京事務所でイラク事業についての打ち合わせの最中に地震に見舞われ、その後、福島県や宮城県の被災地にも足を運んでいた。そのため、実に5ヶ月ぶりの中東滞在となった。
3月11日の地震と津波の被害の様子はイラクにも伝わり、バグダードから、バスラから、その他からもイラクの各地から日本にお見舞いのメッセージが届いている。
3月20日のイラク戦争8周年の3月20日に掲載を予定して文章を書き始めましたが、東北地方太平洋沖地震の被災者の模様が脳裏をかすめて、どうしても筆が動きませんでした。













