アジア・中東・アフリカで活動する国際協力NGOです。
  • JVC facebook
  • JVC twitter
  • イベントメルマガ配信中
  • 文字サイズ:大きく
  • 文字サイズ:中くらいに
  • 文字サイズ:小さく
JVC English website

先生たちにも学ぶ機会を(環境教育に関する取組み)

JVCカンボジア現地代表 若杉 美樹
2011年7月21日 更新

JVCは、シェムリアップ県東部の10校の小学校とその周辺の地域住民を対象に環境教育を行っています。環境教育を実施するにあたっては、まず、小学校の先生を対象に研修を実施し、研修を受けた先生が小学校や地域での環境教育を行います。今日は、先生たちを対象とした研修の様子をお伝えします。

カンボジアの教育の現状

カンボジアでは、詰め込み型の暗記中心の教育が一般的に行われています。そのため、体験学習やグループ学習など児童が様々なことを体験しながら自分たちで問題の解決方法について考える、という環境教育の手法は、まだ一般的ではありません。

カンボジアの学校カンボジアの学校

また、環境教育を実施する以前に、子どもたちに教える側の先生が、教えるために必要な技術や知識を十分に持っていません。その理由として、ポルポト時代に教師や医者などの知識層を失い、その後も人材が十分に育っていないことがあげられます。また、カンボジアの教育制度が未発達なため、先生の中には中学を卒業しただけの者もいて、教員として必要な知識や技術をそもそも学ぶ機会を十分に得ていないという人もいます。その結果、現在のカンボジアでは教師の社会的地位は低く、また、給料も安いため、副業している教師も多いのです。

環境教育ファシリテーターを養成する

さて、こうした状況のなか、JVCでは、教育の質の改善のために小学校での環境教育を支援しています。まずは、先生を対象とした研修を行いますが、今月の研修トレーナーは、JVCの農業開発チームのコーディネーター、ネアリーさんが努めました。彼女はJVCで働いて8 年になります。人前で話すことが非常に得意で、農業の研修でも素晴らしいファシリテーションで参加者を魅了します。先生へのファシリテーション研修は今日で3回目になりますが、8名の先生たちが参加しました。

村で研修をするネアリーさん。参加者の笑いが絶えない。村で研修をするネアリーさん。参加者の笑いが絶えない。

研修では、冒頭に前回までの復習を皆で確認し、次に白い模造紙の使い方を習います。カンボジアではホワイトボードを使うのは都市部だけで、農村地帯ではこの白模造紙が便利なのです。日本では当たり前のことですが、黒・赤・緑色のカラーのペンを使い、アンダーラインや矢印も視覚効果を上手に使うと有効であること、専門用語は避けて誰でも理解できる平易な言葉を使うこと、表やグラフも理解に役立つことなどを説明していきます。また、模造紙の下側は、使い終わって丸めたときに破れ易いので、下の方までいっぱいに書かないこと、使った模造紙は参加者が確認できるように見えるところに貼っておくことなど、細かいところまで丁寧に教えます。

先生たちも必死に学ぶ

研修中ネアリーさんは、時々参加者の周りを歩きながら話し、参加者全員に目を配っていました。彼女の経験から体得したものでしょう。中でも印象的だったのは、小さな箱を参加者の真ん中に置き、何が見えるかを一人一人に書いてもらったことです。座る位置によって箱の側面だけ見え、一つの方向からでは箱全体を見ることが出来ません。この活動を通して、研修の内容も全員が理解しているとは限らず、得た情報をみんなで共有し理解を深めることの重要性を参加者に理解してもらいました。

先生たちは、終始リラックスした様子で研修に参加していましたが、常にノートを取りながら真剣に話を聞いていました。また、話を聞くだけではなく、実際に前に出てきてもらい、その場でグラフや表を使って説明する場面もありました。先生たちもグラフや表などを使い慣れていないため、なかなかすんなりとは行きませんでしたが、実際に相手に説明することで、理解を深めることができました。その他、グループに分かれてのディスカッションも行い、先生同士での意見交換も活発に行いました。

グラフについて説明するヨン先生グラフについて説明するヨン先生

グループに分かれて議論する先生グループに分かれて議論する先生

自ら学ぶことで、教え方について考える

3時間という短い研修でしたが、参加した先生たちが満足そうに笑顔で帰って行ったことが印象的でした。子どもたちに分かりやすい授業をしたくても、自分たちがそうした授業を受けた経験がないため、どのように授業を進めたらよいのかということについて、悩んでいる先生も多いのが現状ですが、この研修に参加して自信を深めたようです。

ルーペで草を観察する先生。子どもたちより興味津々?ルーペで草を観察する先生。子どもたちより興味津々?

こうした研修の機会を通して、環境教育を実施できるようになるだけではなく、通常の授業の進め方の参考にもなればよいと思います。そして何よりも、楽しく、分かりやすい授業を先生たちが実践することで、子どもたちが喜ぶ姿を見ることができればと思います。

団体案内
JVCの取り組み
11ヵ国での活動
イベント/お知らせ
現地ブログ
あなたにできること
その他
特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター
〒110-8605 東京都台東区上野5-3-4 クリエイティブOne秋葉原ビル6F 【地図】
TEL:03-3834-2388 FAX:03-3835-0519 E-mail:info@ngo-jvc.net