アジア・中東・アフリカで活動する国際協力NGOです。
  • JVC facebook
  • JVC twitter
  • イベントメルマガ配信中
  • 文字サイズ:大きく
  • 文字サイズ:中くらいに
  • 文字サイズ:小さく
JVC English website

僕が育った孤児院は売られてしまった

JVCカンボジア現地代表 米倉 雪子
2005年3月17日 更新

先日、知人の通訳兼ガイドさんがとても日本語が上手なので、「どこで習ったの? 日本に留学したの?」と訊くと、次のような話をしてくれた。

「いいえ、僕は15年間、孤児院で育ちました。僕がまだ小さくて、今のように物もなかった時、鉛筆をもらったのです。その鉛筆はとても質の良い鉛筆で、日本製でした。それで、とても日本という国に関心をもち、日本語を勉強したいと思いました。最初だけ少し日本語を習いましたが、お金もなかったので、それから独りでずっと日本語を勉強しました。今のカンボジア政府は、貧しい人のことを考えてくれていません。僕が育ったプノンペンの第一孤児院は、だいぶ前に売られてしまいました。第三孤児院も数年前に売られました。カンボジアには貧しい人がいます。これからはエイズ孤児も増えます。」

これを聞いて、私はぎくりとした。というのも「公立の孤児院の土地が民間に払い下げられて閉鎖されている。そして政府は孤児をNGO経営の孤児院に斡旋してくる。最近は、親がエイズで亡くなったエイズ孤児が増えており、孤児院はこれからも必要なのに、カンボジア政府は何を考えているのか。」という話を、孤児院を支援している何人かの知人から聞いていたからだ。日本国際ボランティアセンターもプノンペンの第四社会福祉センター(孤児、障害者、身寄りのない老人などのための施設)をかつて支援していた。そこの土地も売られ、今は奥の方に建物が残っているだけだ、とも聞いていたので、早々に現場確認にでかけた。確かに、かつて、入り口から広々と並木や野菜畑、庭、そして孤児院の建物があった場所は、サラ地にされ、民間アパートの建設ラッシュだった(写真参照)。奥の方に残されたいくつかの建物で、今も孤児が暮らしていたが、売られた土地代金がきちんと公共サービスに還元されたかどうかは定かではない。

最近、地元紙には連日、政府が病院、学校、刑務所、警察署などの土地を民間に払い下げたあるいは長期貸付したという記事が載る。3月12日の英字日刊紙によると、ソンチャイ国会議員は、政府にこれらの公用地の転売や貸付リストを公開するように求めた、という。「貧困削減」「良い統治」「法の支配」を政策にかかげながらも、それに反する行動をとり続ける政府に対し、援助をする側は公金を渡し続けていいのだろうか。日本政府はカンボジアの第一援助国であり、カンボジア政府が受ける全外国援助の25%を出している。カンボジア政府が真剣に汚職一掃と行政改革にとりくまなければ、日本の税金は無駄になる。今日、不況で生活に困る日本人が増えている。税金を無駄にしないよう、国内の社会福祉に回した方がいいのではないだろうか。


団体案内
JVCの取り組み
11ヵ国での活動
イベント/お知らせ
現地ブログ
あなたにできること
その他
特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター
〒110-8605 東京都台東区上野5-3-4 クリエイティブOne秋葉原ビル6F 【地図】
TEL:03-3834-2388 FAX:03-3835-0519 E-mail:info@ngo-jvc.net