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ワクチン接種キャンペーン

JVCアフガニスタン保健アドバイザー 西 愛子
2008年8月 8日 更新

この7月28日より長谷部貴俊現地代表と西愛子保健アドバイザーがアフガニスタンに約2週間の予定で現地入りしています。
アフガニスタンはいま夏真っ盛り、気温は日本と同じかそれ以上に暑い日が続きます。そんな中、プロジェクトを進める合間に現地のようすを西愛子が送ってきてくれました。ニュースなどでは、アフガニスタンの一部地域で米軍など外国軍とタリバーンをはじめとする反政府グループとの衝突が続いているといった報道が流れていますが、JVCの活動地域がある東部ジャララバード市近郊ではそういった戦闘はなく比較的状況は落ち着いています。それでも、今回の報告にもあるような土地の領有をめぐっての村人の間での対立がアフガニスタンでは起きることもあります。せっかく子どもたちを病気から守ろうと進めてきた予防接種ですが、こういったことで妨げられてしまうのは悲しいことです。少しでもこういったことが起きないよう、対立ではなく対話の輪が広がることを願っています。


土地争いに揺れた「経口ポリオワクチン」キャンペーン 

報告者:西愛子(保健アドバイザー/看護師)

世界中で撲滅寸前のポリオ、でもまだアフガニスタンに・・・
アフガニスタンはWHOの報告によるとポリオ(小児麻痺)感染が残っている4カ国の中に含まれており、UNICEFの報告では2007年時点で27人の罹患者がいるという。

アフガニスタンの保健省にはEPI(Extended Programme of Immunization)という予防接種普及事業を展開する部署がある。EPIはUNICEFの支援を受けて予防接種の普及に努めているが、実際の執行はNGOが運営する地域の診療所(Basic Health Center=BHC)が拠点となるため、JVCが支援するゴレーク診療所もこの事業を担っている。ゴレーク診療所には2人の予防接種員が勤務しており、彼らは診療所内での接種と村のヘルスポスト(地域保健員駐在所)での接種を1日おきに行っており、各村は毎月1回出張接種が行われることになる。
この他にEPIは年に10回から11回、3日間のワクチンキャンペーンを実施している。これは破傷風やポリオなど特定の感染症に絞って、接種員が対象者のいる全家庭を戸別に訪問して接種を行っていくもので、毎回JVCの接種員の他に22名のボランティアが参加する。ボランティアは毎回必ず事前研修を受けてワクチンの管理や接種方法について指導を受ける。

ワクチンキャンペーンを阻む土地争い
通常はルーティン化しているこのキャンペーンを巡って、今回は特別な動きが必要となった。対象村の中のサルバンド村とバルカシコート村が土地所有を巡って争っており、接種員が争いに巻き込まれることが懸念されたからである。両村の紛争は今年5月1日に勃発した。サルバンド村が土地所有を示すために置いた石をバルカシコート村民が勝手に除去したことにサルバンド村民が反発して武力抗争となり、サルバンド村の一人が殺害されたのである。当時、ゴレーク診療所のワクチン接種員の一人はバルカシコート村の責任者であり、この争いの標的となっていた。彼は襲撃を恐れて村から出られず、出勤できなくなったため辞職に追い込まれた。
対象地域内のもう一つの村であるクズカシコートのリーダーが仲裁に入り、3か月間の停戦に入ったのだが、戦闘は行われなかったものの紛争解決にはいたらず、停戦期間が切れる7月末を前に双方とも武器を調達して準備万端という情報が入っていた。

スタッフの安全確保が最優先
JVCはスタッフの安全を懸念し、両村でのキャンペーンを実施するかどうかをジャララバードの事務所内で話し合った。安全が確保されなければ実施できないという日本人の意見に対し、アフガンスタッフはもっと危険な地域でも予定通り実施されているので拒否することはできないと言い、万一の時の逃走経路や避難場所の確保を話し始めた。だが、スタッフの身に危険が及ぶとプロジェクト全体の継続が危うくなりかねないとの懸念から、安全の確保が不可欠という見解で一致し、事前に両村と交渉することになった。
クズカシコート村の仲裁の下、両村の責任者と個別に話し合うため、8月2日、2人のJVCスタッフがクズカシコート村に出かけた。すると、所轄のシェワ郡警察が調停に乗り出しており、JVCの2人は警察署で当事者たちと面談し、キャンペーンの間は停戦するとの合意書を取り付けてもどってきた。警察は双方の中心人物と見られる10数名を監禁し、停戦合意が成立するまで拘束を続けるそうである。地元の警察がそれなりに機能しているのはありがたい。
合意が本当に守られるのか一抹の不安があったが、両村での滞在を最小限にとどめることにしてキャンペーンを実施することにした。スタッフの安否確認のため1時間ごとに電話連絡を取り合い、午後4時ごろゴレーク診療所にもどったとの連絡を受け取って胸をなでおろした。こういう事態は2度と起きないように願いたい。

3日間のキャンペーンをすべて終えた翌日、予防接種員が約95%をカバーしたと結果を報告してくれた。残り5%は遠方への外出による不在がほとんどである。以前は誤解によってワクチンを拒否する家族もあったが、最近ではワクチンに対する知識も広まり、拒否する家族の数はとても少なくなっている。


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