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バンコク⇒ウボンでオリエンテーション

南アフリカ事業担当・現地代表兼任 渡辺 直子
2010年9月13日 更新

初日 7月25日(日)

西山さんと私は前日にバンコク入りし、空港で一行を出迎えました。到着予定の8:30amから待機すること約1時間、9:30頃にセーターやコートを着込み、ブーツを履いた南ア一行が無事ゲートから出てきました・・・。7月は南アの真冬の時期にあたります。参加者が住んでいるリンポポ州は南アフリカの北部にあり南アの中では暖かいほうなのですが、それでもこれから二週間、真冬⇒アジアの蒸し暑い気候の変化で体調を崩さないか心配されます。ひとまず空港から出てきた参加者たちが長時間のフライトにも関わらず元気な様子で一安心しました。普段南アで会っているメンバーにタイで会うのは変な感じですが嬉しさが増したりもします。お互い旅の始まりに興奮しながらハグをして挨拶を済ませました。

午後にシェアの活動地であるウボンラチャタニ県に移動するまでしばらく時間があったため、空港でお茶をしながら道中の話を聞きました。好奇心旺盛なセリーナ(ポロション・サポートグループ枠で参加。家庭菜園活動のリーダー)は普段は何にでも積極的な女性なのですが、今回は海外に出るのが初めて、飛行機も初めて・・ということで、飛行機の中で体を震わせ、経由地のシンガポールで「帰りたい・・」と漏らしていたようです。このおかげで本ツアーの前半では、ドゥドゥと私が体調が悪いのかと心配するほどの静かさでしたが、後半から急激に調子を上げてきたため、スロースターターであることがよくわかりました。同サポートグループ枠から参加のトライフィーナさんは、家庭菜園活動のトレーナーのジョンの農園に感動し(24日に南アを出発したメンバーは23日にジョハネスバーグ空港の近くにあるジョンの家に前泊してました)、帰国したらあらためて訪問して有機農業を学びたいとすでに意気揚々としていました。ちなみに彼女も海外は初めてですが、普段サポートグループのリーダーを務め常に堂々としている彼女は、皆が長旅に疲れて空港のレストランでお茶しか注文しない中、一人がっつりご飯を注文していました。いっぽうLMCCの女性たち3人リンポポの自宅から南アの主食であるパップとチキンを持参、ジョンの家で保存したのち、それを機内へ持ち込み道中食していたそうです。ドゥドゥが「私に分けてくれなかった!」と文句を言っていたため発覚しました。「そうまでしてパップとチキンが食いたいのか・・」とそのこだわりにある意味敬服すると同時に、今後のタイの食事が大丈夫か心配されましたが結果的には、旅慣れているはずのダイレクター・リリアン以外の2名は何でも食べてくれました。ポロションのダイレクター・ジョナサンとHBC枠で参加(現在はクリニックのエイズ担当官)のマヒャセラは海外に出たこともあり落ち着いた様子です。もう一人旅慣れているはずのJVCスタッフ・ドゥドゥは暑さが苦手なためすでにゼイゼイ息を切らしていました。

午後はバンコクからウボンへ移動です。それにしても空港にいるときから周囲の視線がつきささるように我々一行に注がれています。アフリカ人8名だけでもかなり目立つのに、そこにアジア人2名が加わり、周囲からは「なんなのこの人たち・・」とワケのわからない集団としてしか見えないのでしょう。そんなことはおかまいなしに盛り上がる南ア人。ようやくウボンへ到着です。

ウボンでは、シェア・タイの広本さん、ナシンさんが迎えに来てくださっていました。早速ホテルへ移動し、少し休んでから、お二人によるオリエンテーションを受けました。まずはタイの基礎的な挨拶の練習です。広本さんとナシンさんがそれぞれ女性・男性の挨拶のお手本を見せてくださいました。

「サワディーカー」の挨拶の仕方を教えてくださるシェア・タイの広本さん(右)とナシンさん。「サワディーカー」の挨拶の仕方を教えてくださるシェア・タイの広本さん(右)とナシンさん。

「サワディーカー(こんにちは)」

「ディチャンチュー●●カー(私は●●です)」

「コップンカー(ありがとう)」

「スワイー(美しい)」

他にも「私は△△出身です」など教えていただきましたが、とりあえずこれらが基本とのことで、何度も練習しました。その成果があってか、ツアーの二週間を参加者全員がこれら4つの表現だけで乗り切りました(これ以外のことは全て広本さん、シェア・タイスタッフや森本さんが通訳してくださいましたので・・)。その後、2時間ほどに渡り、広本さんからタイのHIV/エイズを取り巻く状況、シェア・タイの活動等をご説明いただきましたが、皆疲れているにも関わらず真剣に聞き入っていました。

真剣にノートを取るLMCCダイレクター・リリアン(左)と在宅看護ボランティアのレジーナ。真剣にノートを取るLMCCダイレクター・リリアン(左)と在宅看護ボランティアのレジーナ。

夜、食事をした後にもミーティングをし、今回のツアーに期待すること、学びたいこと、見たいこと(Expectation)を話し合いました。以下、長いですが南アでHIV/エイズに関わる活動をしている人たちがどんなことを考えているのかがよくわかるので出てきたものを全て羅列してみます。

・プロジェクトの持続性をどう確保しているか(活動資金など)

・コンドームの使用をどうやって広めているのか

・パーマカルチャー(有機農業)の活動全般について。タイでの様子。

・在宅介護ボランティア(HBC)など「ケアをする側」の検査、HIVステイタス(感染しているか否か)の確認はどのようになっているのか。南アフリカではHBC、看護師、カウンセラーなどケアする側による"エイズ拒否"が課題となっている。自分のことをケアできないのならば他人をケアすることなどできない。タイの状況が知りたい。

・エイズ政策の関係者(病院、行政、HBC、NGO、サポートグループなど)がどのように効果的に協働しているのか。

・地域のPWA(HIV陽性者)を遠い病院ではなく近くのクリニック等のサポートグループに参加してもらえるようにするにはどうしたらいいか。スティグマ(烙印)の克服。遠い病院では交通費もかかるから近くで参加できたほうがいい。

・どのように地域の陽性者(と思われる人)たちに情報を伝え、希望を失わないように励まし、HIV/エイズと向き合い、前向きに服薬するようにしているのか。

・新しい患者がどうやって活動などに巻き込まれて行けるようになるのか。オープンになるのか。

・陽性者サポートグループの活動をどのように持続させているのか(収入創出など)

・地域の差別の状況。

・家族間のサポート体制についてはどのようにフォローしているのか。

・家族計画は?(自分にとってはHIV陽性者であるのに子どもを産むことがいいことなのかわからない)

・地域内のスティグマの克服の状況は。南アではHBCがPWAのみ訪問すると差別をもたらすためあらゆる患者を訪問している。タイでは?

さて、これからのツアーで参加者たちがこれらの期待を抱きつつ、どんなことを学んでいってくれるのでしょうか。明日からのツアーが非常に楽しみです。ちなみに筆者は、海外のNGOとして南アで活動する中で、「NGOの役割」について学ぶことを個人的な目標としました。南アでは2009年度に政権が変わり、HIV/エイズに対して新たな政策が積極的に打ち出されてきています。またここ数年で周囲の陽性者の方の様子を見ている限りはARV(抗エイズウィルス薬)が必要な人はほとんどの人が待たずに入手できるようになってきており、エイズ=死ではなく、どんな風に生きていくのかが問われるようになってきました。こうした状況の変化に伴いNGOに求められる役割も変わってきていて、ちょうど今が過渡期であるため、今後の活動を考えていく上でタイからヒントをもらいたい、というのがその理由です。

(続きます)


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