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ガザ:幼稚園児の笑顔

パレスチナ現地代表 小林 和香子
2009年3月 5日 更新

JVCがガザで栄養改善プロジェクトとして支援している幼稚園の一つがイスラエル軍事侵攻で最も被害を受けた一つのザイトゥーン地区にあります。この幼稚園を停戦直後に訪問した際、家族や親戚を亡くした子供たちの話しを聞き、空から爆弾が降ってくるお絵かきをみせてもらい、イスラエル兵士に乱暴されて言葉を発しなくなった子供にも会いました。
 軍事攻撃により子供たちの精神状態がとても心配な状態にあることがわかりました。そこで、プロジェクトを共同で実施している団体のプロジェクト・マナージャーとコーディネーター、そして幼稚園の園長先生や先生たちと相談して、すぐに実現可能な子供たちの笑顔を取り戻せる方法を考えました。
 子供たちにもっとも必要なのは、安心できる場所、そして守ってくれる家族ですが、抱きしめて気持ち良く遊んで楽しいおもちゃも心を癒す手助けになるとして、おもちゃをプレゼントしようという結論になりました。ザイトゥーン地区は最も貧困な地区の一つで、幼稚園にはみんなで遊ぶおもちゃはありますが、貧困家庭の子供たちの家におもちゃはありません。そこで私達は、ガザにあるおもちゃ屋を何軒も訪ね歩き、なんとか人数分のぬいぐるみを確保することが出来ました。

翌朝一番、プロジェクト・マナージャーのモナ、プロジェクト・コーディネーターのハルダ、JVCからは調整員の福田と出張中の東京担当の藤屋と私の女性5人が集合、140個のぬいぐるみとボールを持って、ザイトゥーン幼稚園に出発です。車一台に乗り切らないので、2台で向かいます。幼稚園までの道のり、私達は子供たちが喜ぶ顔を見たくて、期待に胸を膨らませ、大はしゃぎです。幼稚園に到着すると、園長先生はじめ先生達が笑顔で迎えてくれます。みんな今日の日を楽しみにしています。

子供たちにはクラスごとに庭に出てきてもらって、おもちゃを配りました。中には前回の訪問で、親戚のおじさんが亡くなった話を聞かせてくれた子供たちも居ます。前回の訪問で一緒に遊んで、私の名前を覚えていてくれた子供もいました。みんなおもちゃをもらって笑顔です。特に心配だった、イスラエル兵士に乱暴された言葉を失った子供もおもちゃを渡すと笑顔を見せてくれました。みんなおもちゃをしっかりと大事そうに抱えています。多くの子にとっては初めての自分のおもちゃです。園長先生は、「明日は金曜日で幼稚園がお休みだから、みんな家で思う存分遊べるわね。」とこちらも嬉しそうです。私たちはしばらく子供たちとボールを投げて遊んだりしてから幼稚園を後にしました。

JVCがガザで支援している5つの幼稚園は全てが貧困地区にあります。私達はそれらの幼稚園に通う全ての園児520人におもちゃをプレゼントしていきます。子供たちの傷ついた心を癒すのは簡単ではありませんし、専門家の助けが必要なケースもあります。それでも、今日子供たちが見せてくれた笑顔が、明日も明後日もこれからもずっと続いていくことを願っています。


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