5月27日、南スーダンに派遣されていた自衛隊の撤収が完了しました。日本に戻ってこられた隊員の皆さんの様子をテレビや新聞でご覧になった方も多いと思います。
「ところで、JVCさんは、これからどうされるのですか?」
最近、そんな質問を受けました。
日本政府は「(南スーダン)国内の安定に向けた政治プロセスに進展が見られる」ことを自衛隊撤収の理由のひとつに挙げました。
しかし現実には、南スーダンの危機はむしろ深まっています。政府軍(大統領派)と反政府勢力との戦闘が続き、住民への殺戮やレイプなどの暴力は止まりません。国内避難民と難民の数は増え続け、400万人に達しようとしています。
食料も足りません。国民の半数以上が食料難、そのうち10万人は生命の危機にさらされる「飢饉」の状態にあると国連は警告を発しています。南スーダンの各地で、国連による食料の空中投下が続いています。
3月に私が訪れたジュバのマンガテン国内避難民キャンプ。自衛隊の宿営地(当時)の近くにあるこのキャンプでも、約7千人の避難民が食料不足に直面していました。集めた野草で飢えをしのぐ母親たち。「食べ物も、水汲みのポリタンクも寝床にするマットも、何もかもない」生活用品の多くは、昨年7月の戦闘時に略奪されたままです。子どもたちは学校にも通わず、市場で廃品を回収してはわずかな現金を得ていました。
すぐに食料支援を実施しましたが、7千人に対して10日分のトウモロコシを配布するのが私たちの資金では精一杯でした。
JVCは、これからも活動を続けます。
避難民の生活を支えるとともに、将来を担う子どもたちが学校に復帰できるよう、現地の人々と協力して取り組んでいきます。6月下旬には、私がジュバに入ります。現在、南スーダンでは6,000円で1家族の食料1ヶ月分、5,000円で1家族の最低限の生活用品(調理器具、寝具、マラリア予防のための蚊帳、石鹸など)が提供できます。現地では治安悪化による物流の制限などによって(日本円に換算した)物価が上昇しています。必要な支援を届けるためには、皆さまのご協力が欠かせません。
引き続き、ご支援をよろしくお願いいたします。
http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/sudan/2016emergency.html