【ガザ】明日に命をつなぐために
私たちJVCは、長年ガザのパートナー団体であるAEIと共に、20年以上にわたり子どもたちの栄養支援を行ってきており、その活動は現在も続けられています。今日はその中で聞こえてきた現場からの声をご紹介します。
激しい暴力の止まぬ中、ガザの人道危機は深まり続けています。2025年3月18日、突然停戦が破られ、多くの家族が寝ている真夜中に攻撃が繰り返されました。女性や子どもを含む何十万人もの市民が、今も命の危険にさらされています。
2023年10月以来、少なくとも5万人が命を落とし、そのうち1万5千人以上が子どもです。1月中旬から6週間の停戦があったものの、医療も食料も、依然として決定的に不足しています。物価は暴騰しており、たとえ食料や医薬品を見つけることができても、買うために必要な現金が足りません。
避難を続けるガザの人びとにとって、毎日を生き延びることは戦いです。
33歳のシングルマザーであるウンム・ヤマンさんは、23年10月の侵攻開始時、妊娠4カ月でした。10月7日から数日後、ガザ市の自宅から南のヌセイラートに避難を余儀なくされました。さらに2回の避難を強いられ、テントよりもましだと思い、避難所になった学校に身を寄せました。
5か月後、2024年3月に第3子のヤマンちゃんを出産しましたが、弱々しく、成長は思わしくありませんでした。JVCの現地パートナー団体であるAEIに相談したとき、ヤマンちゃんが栄養失調に陥りかけていることを知らされました。定期的なフォローアップと栄養補助食品の支援を受け、ヤマンちゃんの健康状態は大幅に改善しました。
ウンム・ヤマンさんとヤマンちゃん
残念ながら、すべての家族がこのような支援を受けられるわけではありません。病院は患者であふれかえり、医師は麻酔なしの手術を余儀なくされ、薬は錠剤単位でしか処方されません。子どもたちは来る日も来るも、飢えに直面し、過酷な環境を耐えながら、いつ家族を奪われるかわからない、悲惨な状況に置かれています。
ヤマンちゃんは生まれつき目に病気があり、手術が必要ですが、まだ片目しか治療を受けられていません。母親のウンム・ヤマンさんは、ガザの外で治療を受けることを希望しています。命を救うために、治療を求める人びとの出域や、ガザへの医薬品の流入、病院を攻撃から守ることが不可欠です。
簡易検診とカウンセリング
罪のない市民が、想像を絶する苦しみを耐える中、援助が交渉の道具に使われることはあってはなりません。人々は、安全、尊厳、そして暴力のない未来を享受する資格があります。
私たちJVCは引き続き、明日に命をつなぐための支援と、一刻も早い停戦に向け、あきらめずに活動を続けて参ります。