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カドグリでの武力衝突
―共存していた住民に何が起こったのか―

スーダン現地駐在員 今中 航
2020年6月11日 更新

先月中旬、JVCの活動地である南コルドファン州カドグリにて、アラブ系牧畜民ハワズマとヌバ民族アンゴロの間で武力衝突が発生し、少なくとも26人が死亡し、負傷者も多数にのぼります。2歳の男の子やJVCのスタッフの親族2名を含む多数の一般市民も犠牲になりました。

JVCは2011年のスーダン政府と反政府組織との紛争により避難民となった人々が暮らす避難民地区にて長年支援を行ってきましたが、こうした地区でも甚大な被害が出ています。銃やロケット弾による攻撃が行われ、略奪・放火により家や社会インフラが破壊され、緊張状態は続いています。カドグリで今、何が起こっているのかを報告します。

今回の武力衝突による犠牲者の埋葬(SNSより)今回の武力衝突による犠牲者の埋葬(SNSより)

武力衝突の経緯

5月12日、JVCカドグリ事務所では新型コロナウイルス感染予防の啓発活動をする予定で朝から準備をしていました。当日になって、コミュニティの住民から、他の民族グループとのトラブルがあり出席できない、と連絡があり、一旦翌日に延期することにしました。その日の午後、カドグリ事務所のスタッフから「マーケットで銃撃が起きている!沢山の人がJVC事務所の近くまで逃げてきている!」と電話で連絡がきたのです。誰にも何が起こったのかよく分からない状態でした。しかし、今から思えば、少し前から各地で小規模の衝突が起きていました。

日付出来事
4月中旬~各地でハワズマとアンゴロが関わる事件が発生し緊張が高まる
・家畜の盗難を巡り両グループが双方を殺害
・武器取引を巡り殺害・暴行事件発生
5/11(月)両民族が再び衝突(携帯電話の盗難が発端と言われている)
5/12(火)カドグリのマーケットで武力衝突発生
・カドグリ郊外のハワズマの集落をスーダン政府軍(SAF)が攻撃
→旧政権情報治安局傘下の緊急支援部隊(RSF)のメンバー9人死亡・16人負傷
・カドグリ周辺のアンゴロが多く居住する集落への攻撃
5/13(水)・この日から3日間の外出禁止令発令
・集落への攻撃が続く
・女性と子どもは学校、他集落、ヌバ山地に避難
5/14(木)放火や略奪が行われる。死亡者(ティロ地区など)、負傷者発生
5/15(金)RSFの兵士がカドグリ市内で一般市民を攻撃。3人死亡
5/16(土)停戦合意(住民リーダー間)、避難民に帰宅を促すも避難継続

経緯は上の通りですが、特筆すべきは、両者は長年にわたり対立することなく共存していたことです。これらを勘案すると、当初は個人間や家族同士の問題だったものが、ハワズマとアンゴロ、そしてアラブ系とヌバの衝突に発展していったと考えられます。内戦により旧政権側に組み込まれた民兵組織が今も点在し、武器を持つ一般住民が多くいることも、衝突が激化した要因の一つと言えます。また、アンゴロの多いスーダン政府軍(SAF)と緊急支援部隊(RSF)に所属するハワズマの民兵が、攻撃に加わったことが事態を悪化させたと指摘されています。

コミュニティの被害

カドグリのマーケットで始まった衝突はカドグリ内外に広がりました。特にアンゴロが多数住むティロ避難民地区での被害が最も甚大です。JVCはティロ避難民地区で長年支援活動を続けており、学校、給水所(ウォーター・ヤード)、住居の建設を行ってきました。今年は教育を受ける機会を失った子どもたち向けに代替教育支援として、補習学級を運営しています。

しかし、何百もの家で食料、家畜、窓、ベッドなどの家具が略奪された後に放火されてしまいました。また給水所、保健センターといった社会インフラも略奪にあったほか、不発弾の存在も確認され、現在は立ち入りが困難な状況になっています。

略奪された後に火が放たれた住居。JVCは2015年に100軒の避難民用住居を建設した略奪された後に火が放たれた住居。JVCは2015年に100軒の避難民用住居を建設した
JVCが補習学級に使用していた保健センターも略奪の被害に遭ったJVCが補習学級に使用していた保健センターも略奪の被害に遭った

人々は今どこへ?

今回の武力衝突により、カドグリ内外で何千という数の避難民が発生しました。人々は自分と同じ出身地の人々が多く住むエリアにそれぞれ移動し、主にヘル・ジャディーダとタフリという地区に分かれて避難しています。両地区とも以前の紛争による避難民が住む地区であり、JVCが活動してきた場所でもあります。

JVCが建設した幼稚園に避難する住民たちJVCが建設した幼稚園に避難する住民たち
JVCが建設した小学校に避難する住民たち。今補習学級の教室として使用しているJVCが建設した小学校に避難する住民たち。今補習学級の教室として使用している
幼稚園、学校に収容しきれない人々はほとんど屋外に近い場所で避難生活を強いられている幼稚園、学校に収容しきれない人々はほとんど屋外に近い場所で避難生活を強いられている

ヘル・ジャディーダ地区には約160家族、1100名が避難生活を送っており、多くの住民が以下のように話します。

「もう元にいたティロには戻りたくない。近くにアラブ系住民がいて、いつ攻撃されるか分からないから」
「家のものは全部なくなった。雨期がもうすぐ始まるけど、今年は耕作できるかも分からない。食糧も十分にない」

親せきなどを頼って避難している住民もいますが、避難していた施設から別の場所に移動を強いられるなど、多くの人が行き場をなくしている痛ましい現状があります。2011年の大規模紛争によって避難を余儀なくされた人々が、再び安全な居場所を求めて避難せざるを得ない状況に陥っているのです。JVCは避難民への聞き取りを行いながら、関係省庁、NGO、国連機関と情報共有・連携をし、避難民への緊急支援にあたっています。引き続き、本ウェブサイトにて報告してまいります。

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