在宅住民への交流の場づくりの記事一覧
11月24日、四ヶ浜地域の梶ヶ浦地区住民を対象にピクニックを行いました。
四ヶ浜地域は震災により世帯数が激減し、それに伴い住民間の日常的な交流の機会も減少しました。これまでに在宅住民を対象に訪問活動を行い各世帯の状況を把握する中で、梶ヶ浦地区は住民間の交流が他地区に比べて一層少ない印象を受けました。そのため、今回の交流イベントは梶ヶ浦地区の在宅住民を対象としました。震災前、各地区の住民が集う場として地区ごとに集会場が設置されていましたが、梶ヶ浦地区の集会場は震災により被災しました。そのような状況から、今回は屋外でも楽しみながら交流が図れる内容を企画しました。
5月30日、旧浦島小学校の体育館にて、四ヶ浜地域※注(1)の在宅生活者を対象とした交流イベント「レクリエーションダンス」を開催しました。定期的な訪問活動にて住民一人一人の話を聞く際、女性の方からは「家の中にいることが多いので運動不足」、「体を動かすことが好き」という声が多く聞かれました。そのため、今回の交流イベントでは、地域のお母さん方を主な対象として、経験や年齢を問わず誰でも楽しみながら体を動かすことができるレクリエーションダンスを行いました。
また、今回の交流イベントは、4集落の住民を対象として開催しました。四ヶ浜地域は、本来、集落間のまとまりが強い地域です。同地域では、4集落合同の地域行事が浦島小学校にて毎年開催され、それらは住民間の親睦を深める重要な機会となっていました。しかし、震災による地域住民の離散や浦島小学校の閉校に伴い、合同の地域行事は行われなくなり、それにより4集落の住民が集う機会も少なくなりました。そのため、今回は四ヶ浜地域のコミュニティの拠点である旧浦島小学校を活用し、4集落の住民を対象とした交流イベントを開催しました。
2月21日、四ヶ浜地域の鶴ヶ浦生活文化センターにて、在宅生活者を対象とした交流イベント「餅つき大会」を開催しました。先月の同センターでの「お料理会」に引き続き、今回も住民同士で楽しむことができ、尚且つより多くの方が興味を持てるよう地域に馴染みのある内容を取り入れたいと考え、餅つきを実施することにしました。
住民の方の話によると、以前は多くの世帯が臼と杵を持っており、餅つきを行っていたそうですが、現在では、臼と杵の代わりに家庭用製餅機を使用し、餅を作っています。今回、イベントの企画案として、住民の方々に臼と杵を使った昔ながらの餅つきを提案した際、「今でも餅つきをやるの?」「道具なんてどこにあるの?」と驚かれる方が多く、同時に久しぶりの餅つきに皆さんワクワクされている様子でした。また、スタッフが参加の呼びかけを行う他に、餅つきに興味を持った方が他の住民の方を誘うなど、住民間でもイベントの話が広まっていきました。
1月25日、四ヶ浜地域の鶴ヶ浦生活文化センターにて、在宅生活者を対象とした交流イベント「お料理会」を開催しました。
四ヶ浜地域は、震災の影響で地域住民が離散し、自治会の機能が低下したことにより、震災前に各集落で行われていた住民の集いの場となる地域行事が減少しました。現在では、地域行事の開催は徐々に以前の状態を取り戻しつつありますが、集落によっては住民同士の日常的な交流は未だ少ない状況にあります。そのため、JVCは定期的に住民同士が集える「場づくり」を行っています。
これまでの「場づくり」は、主に外部のボランティアなどによる催し物を取り入れ、いわゆる「観て・聴いて楽しむ」という内容を中心に行ってきました。しかし、住民の方々の参加意欲を高めるためにも幅広い内容のイベントを行っていきたいと考えており、そのため今回は参加者のみでも楽しむことができる内容を試みました。
現在、鹿折地区四ヶ浜地域では、家屋が被災を免れた、または被災後に自立再建を果たした家など(以下、在宅)に、二世帯家族や夫婦二人暮らし、独居の方など、特に比較的高齢の方が多く暮らしています。震災による影響で地域の住民が離散し、在宅で暮らす人々はおよそ230世帯から60世帯へと減少しました。そのような状況下で住民同士の交流は減少し、在宅生活者の中でも特に高齢の夫婦二人暮らしや独居の方の孤立が懸念されています。そのため、気仙沼事業では在宅生活者に対して交流の「場づくり」や「訪問による見守り活動」を行なっています。
今回は、その「場づくり」を実施してきた中で気づいたこと、今後における課題点をお伝えします。
在宅生活者を対象に、これまで地域の集会所にて絵手紙教室や大道芸人による催し物などを行なってきました。様々な内容の「場づくり」を実施してきた中で気づいたことは、絵手紙や押し花などの創作活動よりも、観たり聴いたりすることで楽しめる内容の方がより多くの方が参加されていたことです。仮設住宅の入居者を対象とした「場づくり」の場合は、創作活動やスポーツタイプのイベントなど幅広い内容を取り入れていますが、在宅生活者においては参加者自身で何か作業をする内容よりも、より気軽に楽しめるものを企画するなど、また違った工夫が必要とされています。