タイでの様々な農家さんの暮らしを知る為、更に先月に引き続き、今回はウェイスさん一家にお世話になりました。こちらのお宅ではウェイスさん、奥さんのデーンさん、息子さん、ウェイスさんのお母さんの4人で生活をしています。
これまでにお世話になってきたお宅では米や野菜の栽培、販売が主な農家さんでしたが、ウェイスさん宅は料理の販売と様々な苗木を栽培、販売する兼業農家さんです。
ウェイスさん、デーンさんは週に2日のポン郡での朝市に加え、大きな町の市場の朝市で週に3日、ウェイスさんのお母さんは村のお寺脇で毎日夕方から料理の販売をしています。
ポン郡の朝市での販売がメインとなり2日前から仕込みが始まります。丸2日かけて約20種類の料理に使う野菜を刻み、20Kgの魚をさばきミンチ状にし、20Kgの貝を殻から取り出しました。前日夜には仕込んだ魚をバナナの葉で包んで焼き、仮眠をとって夜中の2時半には市場に向かいます。まだ暗い中、懐中電灯で手元を照らしながら仕込んだ野菜を混ぜ合わせ、火を使わない和え物を完成させます。更に、火をおこしてスープ類を煮込み、明るくなり始めた頃には20種類の料理が出揃います。出勤前の会社員や食材を買いに来た町の人々で賑わい、ウェイスさんの店舗の前は客足が途絶えることがありません。そして店終いの始まる9時前には20種の料理がほぼ完売してしまいました。
また苗木の販売は、栽培が難しく、値が高く付くパクワーンという木の栽培に力を入れています。パクワーンは葉を食べる食用の樹木で、ウェイスさん宅には販売用の小さな苗木の他、栽培2年半になる高さ2mを越えるパクワーンの木が数十本あります。そして樹木の栽培には、料理で余った大量の魚の頭や貝殻を使って、ウェイスさん自ら液肥を作って定期的に与えています。
今回お世話になったウェイスさん宅では料理の販売が主な仕事で、今まで見てきた自分で育てた野菜を自分で食べ、余剰分を販売するという農業形態とは大きく異なりますが、また違ったタイでの生活を知ることが出来ました。