ここでの生活では、常に水に振り回されているような気がします。
私の住む地区では水不足の為、毎日一定の時間しか水が出ません。基本的には朝から夜までに二~三回、3時間程度水が出るのですが、地下から吸い上げられた水が溜まり次第流れるそうで流れ始める時間は不定期で、朝から出ない日もあれば夜中まで出ない日もあります。
常に水が使えるわけではないので水が流れるときに水瓶に水を貯め、洗濯をし、食器を洗います。
けれど、朝から一日家を空けることも多いため、タイミングが合わずに水を溜められず水浴び用の水が底をつきそうになってヒヤヒヤしたり、隣に住むパナーラットさんの姉が代わりに水を溜めていてくれたり、水が出るということを聞いて慌てて洗濯をしに家に帰ったこともあります。
眠くても水が溜まり切るまで眠れなかったり、水が出るかもしれないと朝早く起きたり、水が溢れないように何度も溜まり具合を確認しに行ったりと水に振り回される毎日です。
洗濯も、洗濯機とタライに水を貯め、洗うものを投入し15分程洗濯機を回し、すすぎの代わりにタライの中で残った汚れや洗剤をゆすぎ、脱水をかけ外に干し、水浴びの部屋やタライをきれいに掃除して、と毎回一時間半、手間も時間もかかる大仕事です。
洗濯機があり、きれいに洗濯できるだけでもありがたいと思うのですが、水が流れ尚かつ時間に余裕がある日というのは限られていますし、特に住んだばかりの頃は手持ちの洋服や下着がそれほど多くなかったので洗濯をしたいときに出来ず苦労しました。
この時期は乾季で雨が少なく水も不足しがちということは知っていましたが一年を通して水が足らず、水の出ない時間がある生活というのは想像したことがありませんでした。
毎回水が出ることを祈りながらノズルをひねり、水が出た時は安堵感とありがたい気持ちでいっぱいになります。日本では当たり前のようにいつでも好きなだけ水が使えます。だからこそ帰国後も水のありがたみを忘れずに生きていかなければと、強く実感します。