文化や生活の違いで驚いたことは多々ありましたが、その中でも日本と大きく異なるのがゴミのあり方です。
まず、生ゴミは出ません。料理のときに出るきゅうりのヘタなどは台所と天井のすき間や窓から外へポイッ。果物を食べるときの皮や種も窓の外へポイッ。滞在先のパナーラット家でもその他の家庭や施設でも周りは大抵、庭や土になっているので肥料になるか犬や虫が食べてしまいます。余ったご飯や鶏肉や魚の骨も犬にあげて片付けてもらいます。
ゴミになるのはティッシュやビニール袋、お菓子などのパッケージくらいです。それらもすべて家の近くに穴を掘って燃やして終わりです。ペットボトルや瓶などは売ることが出来るので貯めますが、それもパナーラット家では窓から裏庭へポイッ、です。私は最初から袋に分別して入れればいいのに、と思うのですがパナーラットさん曰く「ある程度たまったら拾って袋に入れるから平気」だそうです。
そしてゴミを持ち帰る習慣がなく、その場で出たゴミはその場で捨ててしまいます。5メートル先にゴミ箱があっても足元に捨てたり、ビニールなどの土に返らなそうな物も普通に車の窓から捨てたりしてしまうので結構びっくりします。
家庭によってはお菓子の包み紙やタバコの吸い殻、瓶などの他にマーク(ヤシ系の植物の実)の赤い汁なども吐き捨てられ庭や敷地がゴミで溢れ大変なことになっていたりもします。
日タイ若手農民交流で日本を訪れたカムパンさんに「日本で一番驚いたことは何ですか」と質問をしたら、「ごみ箱がたくさんあって街がとても綺麗なこと」と言っていました。
少し気をつけるだけでも街や道路や家の敷地がずっと綺麗になるのになぁと思うのですが、誰も気にしていないようですし、ゴミを気軽に道端に捨ててしまう彼らより、私の日本での生活の方がずっと環境に悪い生活を送っているような気もします。
そう思うと、私が偉そうなことを言える権利などないように思えてしまうのですが、私ができることは現地でプラスチックなどのゴミをポイ捨てしないこと、日本に帰ったあとでもモノやゴミとの向き合い方を改めることだという結論に、みかんの皮を裏庭にポイッとしながら至りました。