カラシンスタディーツアー後、ポン郡の直売市場を訪問した。有機農家の生産者が消費者に直接販売をするという朝市で、始まってからもう10年になる。以前は生産者が販売元になるなんて考えもしなかったみたいだが、今では会話を楽しみながら売り買いをしている。
3mほどの道の両側にゴザを敷いて所狭しと野菜を並べている。僕が小さい頃に家の近くで青空市が開かれ、形も不揃いでどろんこだけど味のいい野菜が盛ってあったり、米粒持ってポン菓子屋に並んだことなんかも思い出した。なんだかこの市場は縁日の様にも見える。並べてあるのは野菜だけじゃなく手作り菓子、カニ、ナマズ、昆虫、田ネズミ、鶏、茸、米などなどみているだけで楽しい。どれも汚れてない有機農家の田畑から採れたものだ。都会では考えられないが、本来はこんなに多くの生き物(食べ物)が周りにいるんだなと実感させられる。その辺のものを食べるって感覚はもう日本の都会では無いがここではその辺のものが売られていて、安心して美味しく食べられる。無農薬や有機が安心感の一つだが、やはり生産者と顔を合わせて話をして物を買えるというのが大きな要素になっている。生産者も消費者の顔を見れば頑張ってしまう、この関係がとても上手くいってる様に感じた。最後にここで働く人たちに質問した。『価格を上げることはしないの?』返事は『最近は人気も出てるけど有機野菜だからといって値段は上げない。僕たちはお互い納得のいく価格で多くの人に喜んでもらえたら良い。』と。
僕は有機栽培の価値自体を国として上げる為にまた広める為にそんな質問をしたのだが、やはりそこは生産者の発言。その精神がとても印象に残った。伝え忘れましたが、有機米でポン菓子やったら喜んでもらえるじゃないでしょうか、ポンだけに...町の銘菓になるかも知れません。