アジア・中東・アフリカで活動する国際協力NGOです。
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現地ブログ from スーダン

スーダン日記

スーダン駐在のスタッフが、日本ではほとんど知られていないスーダンの情報や活動のようすをお伝えします。

その避難民たちは、木の下で暮らしていました。

カドグリ郊外での生活用品配布を一段落させたJVCスタッフのもとに、「シエリ地区にたくさんの避難民がいる」との情報が入ってきました。シエリとは、カドグリから北に15キロ、紛争が起きる前には首都ハルツームへの定期便も運行されていたカドグリ空港の近くです。

さっそく、避難民の状況を確認に向かいます。

スタッフを乗せた赤い小型車は、幹線道路を折れてシエリ地区へと入りました。道路はなく、地面に残されたタイヤの跡をたどって進んでいくと、乾燥した大地に大きな木がまばらに繁っている場所に出ました。

木の下での暮らしと家財道具。家畜も見える木の下での暮らしと家財道具。家畜も見える

「あれ、人が住んでいるよ」
気が付くと、あちこちの木陰にベッドや戸棚などの家財道具が山積みになっています。ヤギが寝そべり、遠くにはウシの群れも見えます。クルマを見つけて子どもたちが飛び出してきました。

「ちょっとクルマを停めて、話を聞いてみよう」
外に出ると、直射日光と熱風で身体が焼けるようです。あわてて木陰に入ると、そこは避難民家族の生活の場です。

木陰のベッドで生活する家族。左下にはニワトリも木陰のベッドで生活する家族。左下にはニワトリも

「あっ、突然おじゃましてすみません。JVCという日本の援助団体です」
そう言って、その場にいるひとりひとりと握手を交わすのがスーダン流の挨拶です。使い古されたベッドには年配の女性が座り、その周りには赤ん坊を抱いた若いお母さん、そして子どもたちが突然の来訪者を見つめています。

「村から避難してきた人がいると聞いてきました。みなさんは、どちらから来たのですか?」
「カラカラヤだよ」

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首都ハルツームに駐在する私の手元に、国連の安全担当局(UNDSS)からの治安情報が毎日Eメールで送られてきます。カドグリに向けた反政府軍の砲撃、そしてカドグリ南郊の政府軍基地からの応戦。そんな報告が日を追って増えています。

「昨日の晩も大きな砲声が聞こえてきた・・・カドグリの町は大丈夫だ。でも、周辺での戦闘はまだ続いているらしい」
JVCスタッフからも、そんな報告が続きます。
砲撃の音がやまないカドグリ。しかしそれでも、地上戦に巻き込まれた村にくらべれば安全なのでしょうか。避難民の流入は、まだまだ止まりません。

ティロ地区での物資配布ティロ地区での物資配布

JVCが最初に支援物資を配布したクルバ小学校は、避難民の中継所のようになっています。

ここに到着して休息を取った避難民は、自分たちの判断で、或いは州政府の取り計らいで、受け入れ先となるカドグリ市内外の各地区に向かいます。多くの避難民が向かった先は、市の東側3~5キロの郊外に広がるガルドゥッド、ティロのふたつの地区。その理由は、これらの地区には、今回の避難民と同じダンドロ村の出身者が住んでいるからです。

10~20年前のやはり内戦による混乱期に、戦闘を逃れて或いは出稼ぎのためこの土地に移動して、そのまま住みついた人々です。そうした人々が、同郷のよしみで避難民を受け入れてくれるのです。

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「町はずれの小学校に避難民が押し寄せている」

JVCカドグリ事務所にその情報が入ったのは4月17日の午後。スタッフはさっそく現場であるクルバ小学校へと向かいました。

小学校に到着した避難民小学校に到着した避難民

カドグリの町から幹線道路を北に向かってクルマで5分、この「現地便り」でお馴染みのムルタ村に行く途中に、クルバ地区があります。
小学校の校庭には、既にスーダン赤新月社(註:赤十字社と同様の人道援助機関だがイスラム諸国ではこの名称となる)の車両が止まっていました。その向こう側、校舎の軒下には灼熱の日差しを避けて避難民らしき人々が折り重なるように座り込んでいます。何百人いるのでしょうか。トブと呼ばれる一枚布の上着をまとった母親と、子どもたちの姿が目につきます。

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【2013年避難民緊急支援レポート】
戦争という日常

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2013年5月20日 更新

夕暮れ時、まだまだ暑いハルツームの町を歩いていた私の携帯に、カドグリ事務所のスタッフ、ユヌスから電話が入りました。

「砲撃だ。カドグリの町をめがけて撃っている。さっきから4発くらい爆発した」
「本当か?どのへんに着弾しているんだ?」
「JVC事務所からは東の方角、近くはないが・・・でも市街地に落ちているようだ。このあたりでも、みんな家に逃げ込んでいる」
ユヌスの声は緊張こそしていますが、取り乱しているわけではりません。数キロ先からのロケット砲による反政府軍の攻撃は、今回が初めてではないのです。

「わかった、事務所にいるのはユヌスさんだけ?」
「そうだ、あとの二人はもう帰宅した」
「二人が無事かどうか、一応電話で確認して。それから、ユヌスさんは外には出ず、しばらくは事務所で待機してください」

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収穫の春

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2013年5月20日 更新

「今日も暑いですね」

それが毎日の挨拶代わりです。4月、乾季も終盤に入った南コルドファン州。1年で最も暑い時期です。ムルタ村の人々は、40度をゆうに超える日中の時間帯を避けて朝早くに農作業を行います。それに合わせて、JVCスタッフのサラも朝一番に村へと出掛けました。先月、水が涸れそうになったためJVCが支援して深く掘り込んだ灌漑用水の池を見に行くのです。池の水は地下から湧き出てくるため、深く掘ればそれだけ長く使うことができます。

畑ではオクラの白い花が咲き、収穫が進む畑ではオクラの白い花が咲き、収穫が進む

畑では、大きく育ったオクラの白い花が熱風に揺れています。その先では、農家のハディジャさんが池から水を汲んでいました。覗き込んでみると、先月は十分に湧きだした水が、暑さと乾燥、それに農業用水での利用によって、もう底の方にわずかしか残っていません。

こんなに水面が低くては汲み上げるのも大変な重労働、と思いますが、ハディジャさんはシャドゥーフ、そう、以前の現地便りでご紹介した「跳ねつるべ」を使って上手に汲み上げていました。

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農業省の専門家が菜園を訪問

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2013年5月 9日 更新

「ジルジル(ルッコラ)がせっかく芽を出したのに、ぜんぶ虫に食われちゃったのよ」

JVCスタッフのアドランがムルタ村の共同菜園を訪れると、畑に出ていたマリアムさんが怒ったように言ってきました。
「アンタ、いったいどうしてくれるのよ」
とは言いませんが、若いアドランは、自分がそんなふうに言われているようなプレッシャーを感じます。

JVCが配布した種を農家が蒔き始めてから、はや1ヶ月以上が経ちました。生育が早いフドラ(モロヘイヤ)やアリグラ(クレソン)は既に収穫が始まっています。しかし、全部の作物が順調に育っているわけではないようです。

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村の灌漑技術と跳ねつるべ

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2013年4月30日 更新

前回の「現地便り」で、ムルタ村北地区の溜池による灌漑についてご紹介しました。今回はその続きです。

ムルタ北地区の溜池(Beer)と菜園(Gardens)との位置関係図。溜池Aから左上の菜園に向かって長い水路が伸びているムルタ北地区の溜池(Beer)と菜園(Gardens)との位置関係図。溜池Aから左上の菜園に向かって長い水路が伸びている

この地区の溜池と菜園の位置関係について、もういちど【図】をご覧いただけますでしょうか。多くの菜園がいちばん大きな溜池Dから水の供給を受けていますが、左上に位置する二つの菜園は溜池Aから水路を引いています。しかもその距離は30メートルほどの長さになります。この距離を、うまく水を流すことができるのでしょうか?

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畑に水が来た

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2013年4月26日 更新

日本人にとって雨は年中いつでも降ってきそうなものですが、1年を通して雨が降る土地というのは世界中にそう多いものでもありません。雨がほとんど降らない土地もあれば、雨季と乾季がはっきりと分かれている土地もあります。

私たちが活動している南コルドファン州は、年間降水量600ミリ程度。日本の平均の3分の1程度です。雨季の6~10月にまとまって降り、11月から5月までの乾季は、ほとんど一滴も降りません。

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研修とお昼ごはん

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2013年3月 6日 更新

ムルタ村で始まった共同菜園づくりのプロジェクト。なんとか用地が確保され、家畜の侵入を防ぐフェンス作りなどの準備が進んできました。1月も中旬になり、次は野菜の種子と農具の配布、そして菜園づくり研修の実施です。

研修は、ムルタ村の三つの地区(南地区、中地区、北地区)でそれぞれ40人を対象に行われます。菜園への参加者は各地区それぞれ100家族以上になりますが、時間や場所の制約から、その中から40人に研修を受けてもらい、その40人が研修で学んだ内容を他の家族にも伝えていく、というやり方です。

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畑のフェンスは誰が作る?

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2013年3月 6日 更新

「ユヌスさん、菜園にはフェンスが必要だよ」

ここは、JVCが菜園作りの活動を進めているムルタ村の南地区。村人から選ばれた菜園委員会のメンバーとの打ち合わせの席で、メンバーのひとりがJVCスタッフのユヌスに向かってそう切り出しました。たちまち、その場はフェンスの話で持ちきりになりました。

「この前も、となり村のウシがエサや水を探してたくさん来ているのを見かけたぞ」
「となり村だけじゃないぞ、数は少ないけどムルタのヤギやウシだってあちこち歩き回っている」

「もし菜園を囲むフェンスがなかったら、菜園の野菜はみんな食べられてしまうぞ」
皆が言うには、草がほとんど生えない乾季には、菜園は格好のエサ場になってしまうのだそうです。

「それで、JVCはフェンスを作ってくれないの?」

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