2021年6月の記事一覧
JVCはカドグリの5つの集落で補習校を運営していますが、そのうちの1つシャイール地区の近くで3月下旬に民族間の衝突が発生しました。
牧畜民の集団が家畜を連れて移動している際に、家畜用の水を巡り地元住民と口論になり、銃撃戦に発展。スーダン政府軍(SAF)が派遣される事態となりましたが、地元住民は抗議のために道路を封鎖し、通行する車に対し検問を実施。以下のような事態が立て続けに起こりました。
- 衝突とは関係のない、結婚式のためにカドグリに来た男性が射殺される。
- NGOの車両が銃撃を受ける。
- NGOの職員が私用の車で通過した際に民族を聞かれ、車両のフロントガラスを破壊される。
射殺されたのがアラブ系牧畜民バッカーラの男性だったため、昨年発生した大規模な武力衝突の経験から地元住民(ヌバ民族)は復讐を恐れ、シャイール地区から軍基地や近くの親戚の家を頼って避難する人が続出しました。女性・子どもを含む殆どの住民が避難し、一部の男性だけが家を守るために残ることになったのです。そのため、朝の正規の学校だけでなく、JVCが実施する補習学級も一時休止となりました。