2014年2月の記事一覧
「現地便り」2月9日号(「アジザさんのラクバ~避難民向け住居の収穫」)の読者から、次のようなご質問をいただきました。
「避難民の方が自分で種子を購入したと書いてありますが、どうやって現金収入を得ているのでしょうか?」
ご質問の「現地便り」では、昨年8月にJVCが配布した種子以外にも、避難民の皆さんが市場に行って自分のおカネで購入した種で作物を育ててきた様子を書いています。
避難生活を送りながら、どうやって収入をあげているのでしょう?ごもっともな疑問です。


赤、青、黄色...色とりどりのトブ(スーダンの女性の間で一般的な一枚布の着衣)をまとって、避難民向け住居の主婦たちがアジザさんの家のラクバに集まっています。「ラクバ」とは、家の前に大きく張り出した草ぶきの軒先。その下は、一家のだんらんの場であり、台所であり、作業場であり、夜にはここで就寝し、昼にはご近所のおしゃべりの場になります。森から切り出した木で作った手作りのベッドは、おしゃべりの時間には格好の長椅子です。
ティロ避難民向け住居でウォーターヤードの引き渡しが行われた昨年11月、それはちょうど収穫の時期でもありました。この地域では、雨季が終わって乾季が始まる11月から12月にかけて収穫はピークを迎えます。
JVCは、昨年8月上旬に避難民向け住居で種子の支援を行い、その様子はこの「現地だより」でもご紹介しました。はたして、その収穫はどうだったのでしょう?

ウォーターヤードの脇にクルマを停め、レンガ造りの避難民向け住居が立ち並ぶ中を歩いていくと、あちこちの庭先に刈り入れ後の収穫物が山積みになって干してあります。主食穀物のソルガム(モロコシ)のほか、輪切りにされたオクラ、ゴマ、豆類など、その種類も様々。金だらいのような容器に収穫物を入れ、頭に載せて運んでいく女性たちの姿も見えます。
JVCスタッフのアドランとタイーブは、1軒の家の前で足を止めました。以前から顔見知りのアジザさんの家です。
「カドグリなんて、もう行きたくないわ」
JVCハルツーム事務所スタッフのモナが、友人のインティサルさんから電話を受けたのは、新しい年が始まってすぐのことでした。
スーダン現地NGOのハルツーム事務所で働いているインティサルさんは、昨年の10月から、カドグリに長期間の出張をしていました。住民向けに保健・衛生の研修を行い、1月に終了してハルツームに戻る予定だったそうです。
「でも、ほら、あなたも知っているでしょ、12月にあったあの砲撃」
「ええ、もちろん知っているわ」