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2013年2月19日

共同菜園づくり・よそ者の土地問題(4)

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2013年2月22日 更新

前号から続く)

ムルタ中地区のシエハ(住民リーダー)、ジブリルさんの家は幹線道路の近くにありました。ブロック塀で囲まれた庭には鉢植えの植物が並び、門の脇に植えられた木には真っ赤な花が咲き乱れています。

トチャ集落のシエハ、トゥトゥさんを迎えて、奥さんがソルガムや落花生、ササゲ豆を炒めた特製のおやつをふるまってくれました。
「さっそくだけどジブリルさん、共同菜園のことなんだが」

トゥトゥさんがそう話し始めると、ジブリルさんが
「その話なら、菜園委員会のメンバーを呼んで一緒に相談したほうがいいな」
と言って、委員会の中心メンバーであるルドワンさんを呼びに行かせてくれました。

しばらくの間、おしゃべりとおやつを楽しんでいると、ルドワンさんがやってきました。彼は菜園予定地の地主のひとりでもあり、土地のことをよく知っています。

ジブリルさんの家の前で住民集会が開かれた時の様子。写真左端にジブリルさんの姿も見えるジブリルさんの家の前で住民集会が開かれた時の様子。写真左端にジブリルさんの姿も見える

トゥトゥさんが説明を始めました。
「みんな知っていると思うが、ムルタ北地区の端に、ドンドロ村やほかの村の出身者が住んでいる。最近になって新しい避難民もたくさん入り込んでいる。そうした人たちが、中地区の菜園に参加したいと言ってきている。構わないだろうか?」

「全部で何家族くらいになるかな?」
ジブリルさんが尋ねました。
「トチャ集落から40家族ほど参加するから、全部合わせると、60家族くらいだろうか」
「それなら問題ない。土地は十分にある。ドンドロやほかの人たちも、みんな参加してくれ」

黙って聞いていたルドワンさんが、ここで口を開きました。
「みなさん、確かに土地は十分にあります。でも、水はどうしますか?」
ルドワンさんは手にした図面を広げました。何年か前に、菜園用の土地を州政府に登録した時の図面です。

「菜園用の土地は全部で40ファダン(約17ヘクタール)です。中には砂地や岩だらけで菜園に向かない区画もありますが、それを差し引いても十分な広さです。この中に、何十もの大小の溜池がある。長年放置されて、砂や水草で埋まっているものも多い。これを掘り起こしたり刈り取ったりしなければ、水が使えません」

「大丈夫。溜池は全部JVCが補修工事をしてくれる」
と自信ありげに答えるジブリルさん。とっさにJVCスタッフのユヌスが反応しました。
「ちょ、ちょっと待ってくれよ。溜池が何十個もあるって、それ全部の工事はできないよ。40ファダンの用地のうち、実際に使うのは10ファダン(約4ヘクタール)もあれば十分だろう。溜池の補修は、プロジェクトに必要な部分だけだよ」

「えーっ、JVCが全部やってくれるんじゃなかったの?」
こんどはジブリルさんが目を丸くしています。

ユヌスは必死になって、プロジェクトの予算には限りがあるし、共同菜園に提供される区画以外は個人に属する土地なのだから、そこの溜池は補修することはできない、という説明を繰り返しました。なんとかジブリルさんも納得してくれたようです。

ルドワンさんが再び図面を指さして、 「それでは、皆さんいいですか。この図面の、上の方のこの辺りに溜池が幾つか集中しています。この周りをムルタ中地区の人たちの菜園にしましょう。下の方の、ここには大きな溜池があります。このあたりを、トチャやドンドロなどの人たちに使ってもらいましょう」 と説明すると、みんな、ふんふん、と納得しています。 「そしてJVCは、このふたつの区画の溜池の補修をお願いします」

なんとか、話が収まりました。ムルタ元来の住人ではないトチャやドンドロの人たち、そこに住む新しい避難民にも土地が割り当てられて、JVCスタッフもほっと胸をなでおろしました。トゥトゥさんも、ご満悦の表情です。
「早速みんなで、準備に取り掛かるぞ」

菜園づくりの準備が始まり、作業に精を出すトゥトゥさん(右)菜園づくりの準備が始まり、作業に精を出すトゥトゥさん(右)
溜池の補修も始まった溜池の補修も始まった

【おことわり】
現在、JVC現地代表の今井をはじめNGO外国人スタッフが南コルドファン州に入ることは、スーダン政府により制限されています。このため、2012年1月以降の「現地便り」はカドグリの状況や活動の様子を、JVCスーダン人スタッフの報告に基づき今井が執筆したものです。

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