今年1月に始まった1年間の整備士研修も、はや8ヶ月が過ぎ、残りは3ヶ月あまり。はたして研修生たちの成長ぶりはいかに?ということで、筆記試験、実技試験、それに口頭試問を行って中間評価をすることになりました。

筆記試験は「エンジンの働きについて」。「どのような場合にエンジンのオーバーホールが必要とされるか説明せよ」といった記述問題が10問と、なかなか歯応えのあるテストです。採点の結果、85点でトップの成績を取ったのはケニー。「彼は飲み込みが早いとは言えないが、ひとつひとつの事柄を確実に理解している。作業でも、他の研修生より時間はかかるが仕事は信頼できる」というのが指導員アニャマのケニー評。本人に「成績トップだよ」と伝えると、照れくさそうに笑っています。


実技テストの課題は、ブレーキの取り外しと取り付け。整備士としては基本中の基本です。次々にクリアしていく研修生ですが、中には自信なさそうな顔も。「すみません、テストは明日にしてもらえますか」と言ってきたのは、研修生のオティカ。「どうしたんだ?具合でも悪いのか」「いや、そういうわけじゃなくて・・」「なんだ、自信ないのか」「とにかく、明日に・・」「明日にしたって同じことだろ」というわけで、テストをしてみると、ああ、やっぱりちょっと作業の手順を理解していません。これから卒業までの間に、基本作業を繰り返し練習してもらうしかないようです。
口頭試問は、実際の車両を前にして質問に答える形式です。試験官のアニャマが、研修生チャンディルに質問していました。

「運転していたら、ハンドルが固くて思いっきり力を入れないと回らない。さて、その時に整備士は何をチェックする?」
「えっと、まずボルト類を強く締めすぎていないかをチェックして、それから、パワーステアリングの油圧系統に漏れなどの異常がないかをチェックして・・」と、考えながら懸命に答えるチャンディル。30分ほどのテストが終わった後、「どうだった?うまく答えられた?」と聞いてみると「うーん・・難しかった。思うように説明できなかった」
でも、アニャマに聞いてみると「チャンディルはたいしたものだ。修理の手順やポイントを、順を追ってちゃんと説明できる。ほとんどの研修生は、実際の作業はできても、頭の中でそれが整理されていない。でも彼女にはそれができている。経験を積んでいけば、将来、いい整備士になるよ」
チャンディルは常々、「この研修コースが終わったらウガンダに行って別のトレーニングにも参加して、どんどん技術を身に付けたい」と言っています。でも、整備士を目指す女性ということで、やはり珍しい目で見られることが多いそうです。
「研修に参加した頃、『女が整備士になりたいなんて、どうかしている』って、近所の人からよく言われたわ」
「そんな時、なんて答えたの?」
「言ってやったわ。『アンタには関係ないわよ(It’s none of your business!)』」
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