JVC整備工場で研修を受けてきた元難民の若者14名。1年半から2年にわたる研修がついに終了し、12月20日土曜日、晴れて卒業式を迎えました。

会場は、工場の溶接部門の片づけて作った一角。研修生の家族など20人ほどの招待客が着席し、いよいよ式が始まるという時間になっても主役の研修生たちがなかなか登場しません。「何をやっているんだ」と呼びに行くと、シャワーを浴びて着替えたり髪をとかしたり・・・一生懸命にドレスアップをしています。彼ら、彼女らにとっては大事な「ハレの日」。スーツにネクタイでバッチリと(?)キメている研修生までいます。まあ、時間がかかるのも仕方がないか・・ということで、40分ほど遅れて卒業式が開会。
工場長、そして私からの挨拶に続いて、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)南部スーダン事務所代表の吉田典古さんから、卒業生に次のような励ましの言葉をいただきました。「復興支援でいくら学校や病院や様々な施設を作っても、それを運営するスタッフのスキルがなくては機能しない。資金さえあれば施設はすぐにでも作れるが、人材を育成するには10年単位の年月がかかる。だから、この車両整備の職業訓練は皆さんにとって、そして南部スーダンの復興にとって非常に意味のあること。今日卒業証書をもらっても、これが終わりではない。就職が決まっている卒業生も、まだ決まっていない卒業生も、今後、より一層技術に磨きをかけていって欲しい」

研修が始まった時にはほとんどが「ズブの素人」だった研修生も、今ではアシスタントメカニックとして工場の貴重な戦力になるところまで成長しました。14人中6人は整備士としてJVC工場のスタッフに登用されることが決まっており、1人は既に南部スーダン政府に整備士として採用されています。残る7人は就職活動中です。

続いて、卒業生を代表してジョセフィンがスピーチ。「研修で学んだことを、南部スーダンの復興のために活かしていきたい。そして、この研修コースが、今後さらに規模を拡大して続くことを希望します」
スピーチの後は、いよいよ卒業証書の授与。研修開始時より彼らを育て上げてきたJVC車両専門家の井谷が一人一人の名前を呼びあげ、卒業証書が手渡されました。いつもは生意気で文句ばかり言っている研修生たちですが、この瞬間はみな満足げな表情です。そして、最後は全員で牛肉の料理を楽しみました。「卒業パーティでは羊の肉が食べたいんだ」と研修生は最後までゴネていましたが(笑)、予算の都合で羊はキャンセル。でも、みな笑顔で卒業式は終わったのでした。

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