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レインコートと携帯電話

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2008年7月18日 更新

雨季のジュバでは時折、スコールのような強い雨が降り注ぎます。傘やレインコートを持つ習慣がないので、雨が降ると街からは人通りが消え、商店の軒先は雨宿りをする人たちでいっぱいになります。

朝の通勤時間に雨が降ると・・・JVC整備工場では日本人スタッフだけが時間通りに出勤、「誰も来ないなあ」と空を見上げて待つことになります。雨はじきに小降りになるので、ひとりふたりと出勤してきて10時か11時にはほぼ全員が揃うのですが、なかにはそのまま休んでしまう研修生もおり、翌日「お説教」をすることになります。

先日のスタッフミーティングで、スーダン人スタッフから「レインコートを買って欲しい」とのリクエストがありました。「レインコートがないから雨の日に出勤できない」「レインコートがないと身体が冷えて風邪をひく」というのが理由です。レインコート1着25スーダンポンド(約1200円)。私からは「雨季になってレインコートが必要なのはよく分かる。でも、仕事で使うわけではないのだから自分の給料で買ってください」と返答しました。でも、あれだけ必要性を訴えていたのに、その後、誰も買った様子はありません。

スタッフでただひとり、レインコート着用で通勤するアレックス。彼のレインコートは、彼が国連機関UNOPSで働いていた時に支給された。スタッフでただひとり、レインコート着用で通勤するアレックス。彼のレインコートは、彼が国連機関UNOPSで働いていた時に支給された。

「カネがない」と彼らは口を揃えます。「カネがなくて食事も1日1食」と言う研修生もいます。それはもちろん一面の事実ですが、でも一方で、そういう彼らが携帯電話にはずいぶんとお金を使っています。ジュバでの携帯電話の普及は目覚ましく、整備工場スタッフの半数以上、研修生は大半が携帯を持っています。電話機1台の値段は100ポンド(5000円)以上。通話のためのプリペイドカードは最低5ポンド(250円)。発電機がある店で電話機を充電するのに1ポンド(50円)。合計すればかなりの支出です。

整備工場のコンセントでちゃっかり充電中のスタッフ・研修生の携帯電話整備工場のコンセントでちゃっかり充電中のスタッフ・研修生の携帯電話
次々に建設される携帯電話用の鉄塔次々に建設される携帯電話用の鉄塔

外国資本を含む数社の携帯電話会社が、次々と南部スーダンに投資をしています。ジュバでは、基地局の高い鉄塔が次々に建設され、林立して新しい景観を作っています。携帯電話は人びとの関心とおカネを引き付け、投資した会社はすぐに資金を回収できるのでしょう。

でも、それはなんとも奇異な現象です。安全な水が入手できず(6月18日号「給水車とコレラ」参照)、地域に満足な医療機関もないのに、携帯電話は簡単に購入でき、基地局の建設にはどんどん資金がつぎ込まれています。結果として、「金がなくて食事も満足にできない」という彼らが、携帯電話におカネを消費して(させられて)しまう・・・。物事には順序があって、まず安全な水や十分な食事や基本的な医療が確保されて、或いは雨の日には傘やレインコートがあって、その先の携帯電話だろう、と思うのですが。実際、日本を含む「先進国」の生活文化は、そのような順序を踏んで発展してきたのでしょう。しかし、南部スーダン(に限らないと思いますが)では、基本的な生活ニーズが満たされないうちに次々に新しい投資が入り込んできています。

先日日本で行われたTICAD(アフリカ開発会議)では、アフリカへの「投資」を促進し、「経済成長」によってアフリカの人々の暮らしを豊かにしよう方向性が議論されたようですが、投資拡大や経済成長が人びとの生活に何をもたらすのか、注意して見ていかないと大変なことになる、と林立する鉄塔を見ながら考える今日この頃です。

傘をさして通ってくる唯一の研修生、ジョセフィン。彼女は昨年「難民の日」イベントで、賞品として傘を獲得した傘をさして通ってくる唯一の研修生、ジョセフィン。彼女は昨年「難民の日」イベントで、賞品として傘を獲得した

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