内戦が終結して3年、難民や国内避難民の帰還に伴ってジュバの人口が増えるのに合わせて、いやそれ以上のペースで、町を走るクルマの量が劇的に増えています。しかし、長い内戦のために交通ルールの整備や安全運転教育は、ほとんど手付かずの状況。スピードの出し過ぎによる事故や、クルマとバイク(免許制度がないので子供でも運転している!)との接触事故が絶えません。また、手荒な運転でクルマに損傷を与えるドライバーも少なくありません。

自動車整備に携わる者として「こんな状態を見過ごせない!」ということで、JVCではJICAの「NGO海外活動現場への技術者派遣」制度を利用して日本から専門家を招き、安全運転講習会を開催することにしました。12月前半の2週間に2日間の講習会を4回実施し、南部スーダン政府のドライバー、警察関係者、国連機関やNGOのドライバーなど、合わせて40名以上が受講します。
講師は、車両整備や交通安全教育の専門家である浜口龍太氏。以前、整備士としてJVCカンボジアのプロジェクトに参加、ジュバの整備工場の立ち上げにも参加したJVCのOBです。
講習会は、午前中が「車両の基本構造と仕組み」「タイヤの特性」「安全運転の知識と技術」を中心とした講義、午後は実際の車両を使って運行前点検の方法、そして運転実技を学びます。すでに2回の講習会が終わりましたが、参加者はとても熱心。

「タイヤ空気圧のチェックの仕方を教えてくれ」「オーバーステアリングって何だ?」など、たくさんの質問が飛び交っています。運転実技ではS字、クランク、車庫入れなど日本の教習所にもあるようなコースにチャレンジ。「違う違う!もっと右だ」「ハンドル切りすぎだぞ!」など、みんな一段と盛り上がります。


修了証を手にして、参加者のオケニさん(保健省)は「とても勉強になった。自分の省庁に帰ったら、講習会の内容をほかのドライバーにも伝えるよ」と感想を話してくれました。
熱帯の暑さの中で毎日声を張りあげて頑張る浜口さん。「安全で効率的な陸上輸送を確保することが南部スーダン復興のカギになる。今回の講習会の規模は小さいが、これを契機にジュバで交通安全についての意識が喚起できれば成功だと思う」
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