家庭菜園研修の記事一覧
前回「ただ一人有機堆肥を作っている」と報告したフローレンスさんの畑は緑があふれてとってもきれいです。家に水源(井戸)があるというアドバンテージはあるものの、マルチ、混作、有機堆肥、等高線に沿って植える畑のデザイン、畝の作り方...などなど学んだことがほぼ全て、完璧に適用されていて実に見事な畑です。
私たちも日々の食事のために野菜がほしいとき、ちょうどボドウェ村にいられれば、フローレンスさんから買うことがしばしばあります。しかし...フローレンスさんにいろいろといただいてしまうことのほうがはるかに多いのが実際のところです。
さて、前々々回お伝えしました有機堆肥と液肥のその後です。前回、前々回の記事内でお伝えしましたトボワニさんとサルミナさんはいずれもモニタリングの中で有機堆肥はつくっておらず、今も鶏糞を利用していらっしゃることがわかりました。また、先日、駐南ア日本大使館の方が事業地を訪問してくださった際、シャンガナニ・タウンシップの菜園も3ヶ所ほど訪問したのですがいずれも有機堆肥はつくられておらず、ここでは鶏糞や牛糞も使われていません。唯一、このとき訪問した、パートナー団体LMCCの高齢者ケアボランティアのフローレンス(Florence)さんだけがつくっていらっしゃいました。
が~ん・・・。10月の研修時には全員が「今後有機堆肥をつくります!」と宣言していたのに、この状況をどう捉えたらいいのでしょうか。トレーナーのアベルとフィリップと話し合いました。
家庭菜園研修モニタリングの続きです。ボドウェ村で訪問した二人目はサルミナ(Salminah)さんという女性です。彼女は山の上のほうに広~いメイズ畑を持っていて、菜園は家のまわりで点在させて、少しずつつくっています。南アはアパルトヘイト下において黒人社会で営まれてきた小規模な牧畜・農業が破壊され、農村といえども農業で身を立てている方は滅多にお目にかかりません。しかし、ここベンベ郡の私たちの活動地においては、いくつかの村ではきちんとメイズ用の大きな畑を持っていますし、そうでなくとも雨季には庭先のスペースに当たり前のようにメイズを植えています。もともと菜園をつくっている方も割りといらっしゃいます。その中でもここボドウェ村はその傾向が特に強い村です。
だけどサルミナさん「年も取ってきてさすがに疲れてきたわ」とおっしゃっていたので、4月に研修を受けてからは「一箇所で狭い範囲でも学んだことをきちんと適応していると食べるのにはじゅうぶんな野菜が採れるよ」というトレーナーのアドバイスを証明すべく、一箇所だけ新たな菜園スペースをつくりました。その結果、写真のとおり狭い範囲なのですが、トマト、ビートルート、たまねぎ、かぼちゃ、にんじん、ほうれん草、メイズなどなど様々な種類のものがぎっしりと元気よく植わっています。トレーナーのアベルからは
「この菜園には自分から言うことは何もないよ。すばらしい。あえて言えば、マルチをするもっといいのだけど・・・。これでクリスマスの食べものにも困らないね!」
と太鼓判を押されていました。
今日(11月28)日、家庭菜園研修トレーナーのアベル、フィリップとJVCスタッフのドゥドゥ、モーゼスとともにボドウェ村で研修後の菜園の様子を確認すべくモニタリングを行いました。行いました、と言っても途中で雨が強く降ってきてしまい結局2軒しかまわれませんでしたが・・・。
最初はトボワニ(Tobhowani)さん。20代後半の若者です。研修にはパートナー団体LMCCのボランティアとしてではなく、村の代表として参加してくれました。もともと雨季には家のまわりの広い敷地にメイズ(とうもろこし)を植えていて、菜園も少し作っていたことがあるという経験者です。ビートルート(赤カブのようなもの)やほうれん草、たまねぎなどが元気よく育っていて、マルチ(枯れ草で土を覆って土中の水分の蒸発を防ぎます)もきちんとできています。トレーナーのアベルからトボワニさんには、こんなアドバイスがされていました。
10月8、9日、私たちが活動する9村のうちボドウェ村とシャンガナニ・タウンシップ(※注)で21名を対象に有機堆肥と液肥のつくり方に関する研修を行いました。いずれも親がいないなど特別なケアが必要な子どもたちが集まるドロップ・イン・センターの敷地で行いました。