2020年3月の記事一覧
こんにちは。エルサレム事務所の山村です。
今回は、アメリカの中東和平案に対して現地の政治家が意見を述べている記事を紹介したいと思います。こちらは声明文ではありませんが、詳しく今回の和平案について説明しており、随所に大多数のパレスチナ人の見解が織り込まれているように見受けられます。特に、ホロコーストやアパルトヘイトで使われた用語を引用して、いかにパレスチナ人に対して行われていることがそれらに類似しているかが繰り返し説明されています。そして最後には誰にとっても(イスラエル人にとっても)これらの施策は得にならない、と締めくくられているところから、この声が平和を希求する普遍的な人間として訴えたいものであることが分かります。現地で多くのパレスチナ人にインタビューをする中で、和平案に対しての怒りの声を多く聞きましたが、当記事はどうして人々が怒っているのかを事実をもとにわかりやすく説明しているものだと感じます。
インタビューに答えているのはPNI(パレスチナ国家イニシアティブ)の事務局長であり、PLO(パレスチナ解放機構)の国家評議会メンバーであるムスタファ・バルグーティー氏です。また彼は、ラマッラ―に本部を持つ、PMRS(パレスチナ医療救援協会)の代表でもあります。下記内容は、アメリカの中東和平案に関してCNNからインタビューを受けた際のものです。
※本インタビューはCNNのOpinion欄で2020年の1月31日に掲載されました。
記事ソース:CNNウェブサイト
記事:トランプの中東(和平)案はパレスチナ人にとって何を意味するか
中東の歴史の専門家でなくても、ドナルド・トランプ米大統領がイスラエル―パレスチナ間の和平案に伴って発表された地図が、かつての南アフリカにおけるアパルトヘイトでのバントゥースタン※注(1)と同じものであることは容易に見て取ることができる。唯一の違いは、パレスチナ人の孤立した地理的状況はゲットー※注(2)とも比較される、という点である。「ゲットースタン」とでも呼べば、より適切な呼び方になるだろうか。
- このブログを書いている人のプロフィール
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山村 順子
パレスチナ現地代表大学時代は南アフリカの構造的暴力をHIV/AIDSを通して研究。課外では日本とコリアの平和構築活動に携わる。2009年に開発と紛争・ガバナンス専攻で修士号取得。3年余り電機メーカー勤務を経て、2012年にパレスチナの分離壁のある村に滞在し、静かにパレスチナ人を蝕む「理不尽が当たり前」の現実に憤ると同時に彼らの人としての強さに魅了される。帰国後にJVCでボランティアをしながら、女性と子供支援に特化したNGOでインターンを経験。2013年から産油国への協力事業(教育・投資促進)に数年携わった後、当団体勤務。主観や偏見をできるだけ取り除き、問題の本質を常に考えることと、多様な価値観を武器とし、皆で知恵を出し合い事業を運営するのが目標。2016年からJVCに参加。
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