2013年7月の記事一覧
東エルサレムの学校地域保健事業では、6月後半から7月初めにかけて、パートナー団体パレスチナ医療救援協会(PMRS/MRS)と合同で10日間のサマーキャンプを開催しました。参加者は13歳から16歳の青少年です。今年は、東エルサレムの4ヶ所で開催され、約100人程度の中学生が参加しました。
4ヶ所のうち、分離壁のエルサレム側の学校1校(旧市街の女子校)を除き、残りは分離壁で封鎖されたヨルダン川西岸地区側の学校・地域施設での開催となりました。JVCは他団体との協力のもと、生徒たちを引率して健康教育や救急法講習を行う医療チームの人件費のほか、文房具などを提供しました。
今年のサマーキャンプのテーマは、「あなたとあなたの健康と変化」で、子どもたちに配られるTシャツの背中にも印刷されました。「変化」という語には、思春期の身体的・精神的な変化について知ろうという意味と、サマーキャンプでの活動を通じて喫煙の害、衛生の大切さ、思春期の変化、正しい食生活などについて学び、健やかな成長のために自分自身から変わっていこうという意味の2つが込められているとのこと。
現在東エルサレムで実施している学校地域保健事業では、地域の人々が自分たちの力で健康を守れるようになるための仕組みづくりに注力しています。そこで今回は、その取り組みの一つ、トレーナーのトレーニングという活動をご紹介します。
トレーナーのトレーニングは、"Training of Trainer"の頭文字を取ってToTと呼ばれています。この活動では、東エルサレムの4つの学校に生徒が主体となる保健委員会を設置し、委員会を引率する教員とメンバーとなった生徒を対象に、健康教育と救急法のトレーニングを行っています。現在対象となっている4校は、男子校2校、女子高2校で、男子校のうち1校は分離壁によって東エルサレムから分断された地域にあります。