2013年2月の記事一覧
1月19日(土)、エルサレム旧市街の南側に位置するシルワーン地区で、東エルサレム事業の一環である救急救命法(以下、FA(ファーストエイド))講習会に同行しました。この日の講習会は、地域社会施設「ニブラース・アルクッズ」で夕方4時から開催されました。
シルワーン地区には、ユダヤ人が集住する西エルサレムとも、聖地のイメージとも全く異なるエルサレムの姿があります。狭く舗装のはがれた道路の真ん中に置かれた巨大な鉄のゴミ箱からはゴミが溢れかえり、信号がないため十字路では渋滞で車が溢れ、街灯もないため弱弱しく光る家の明かりが唯一の道しるべとなっています。
煌々と街灯が光り、ゴミも落ちておらず、信号もあり、家の光もずっと明るいユダヤ人居住地区と同じ、エルサレム市内とは思えないほどです。これが、イスラエルによって「永遠の首都」と宣言されながら、西エルサレムと同程度の行政サービスは提供されず、イスラエル資本を頂点とするエルサレム地域経済の最底辺に置かれ、貧困率も高い東エルサレムのパレスチナ人居住区の典型的な姿です。
- このブログを書いている人のプロフィール
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山村 順子
パレスチナ現地代表大学時代は南アフリカの構造的暴力をHIV/AIDSを通して研究。課外では日本とコリアの平和構築活動に携わる。2009年に開発と紛争・ガバナンス専攻で修士号取得。3年余り電機メーカー勤務を経て、2012年にパレスチナの分離壁のある村に滞在し、静かにパレスチナ人を蝕む「理不尽が当たり前」の現実に憤ると同時に彼らの人としての強さに魅了される。帰国後にJVCでボランティアをしながら、女性と子供支援に特化したNGOでインターンを経験。2013年から産油国への協力事業(教育・投資促進)に数年携わった後、当団体勤務。主観や偏見をできるだけ取り除き、問題の本質を常に考えることと、多様な価値観を武器とし、皆で知恵を出し合い事業を運営するのが目標。2016年からJVCに参加。
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