2011年6月の記事一覧
5月上旬、ガザ市にあるUNRWA(国連パレスチナ難民救済機構)の学校で、東日本大震災の被災地の子どもたちに向けたイベントが行われました。「日本の子どもたちのために、何かしたいと生徒たちが言っている。ガザで何かできることはないか」とUNRWAの学校に勤める知人から相談を受けたのは4月、私が日本での一時帰国を終えてこちらに戻ってきた時でした。「ガザの子どもたちは、状況が違えども同じ年代の子どもたちが悲しみと困難に耐えていることに、連帯感を示したいと思っている。いつも日本の人たちに助けられているから、精神的なサポートを送ってあげたい」と、温かい言葉をいただきました。震災が起こって以来、パレスチナでも様々な人たちから心配と励ましの声をいただきましたが、子どもたちが自主的に何かしたいと言ってくれることがとても嬉しく、何度もお礼を伝えました。
5月、ガザも徐々に夏に入り始めた頃に、ウム・アル・ナセル村で養鶏事業を行っている10家族を訪問しました。コーディネーターからの報告によれば、家族によって卵の生産数のばらつきはありますが、全ての家族が鶏を売ったり食べたり(!)しておらず、7家族は順調に毎日子どもたちが食べる分の卵を生産しているようです。また、数家族が余った卵を販売して小さな収入を得たり、卵の孵化を成功させて鶏の数を増やしています。
- このブログを書いている人のプロフィール
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山村 順子
パレスチナ現地代表大学時代は南アフリカの構造的暴力をHIV/AIDSを通して研究。課外では日本とコリアの平和構築活動に携わる。2009年に開発と紛争・ガバナンス専攻で修士号取得。3年余り電機メーカー勤務を経て、2012年にパレスチナの分離壁のある村に滞在し、静かにパレスチナ人を蝕む「理不尽が当たり前」の現実に憤ると同時に彼らの人としての強さに魅了される。帰国後にJVCでボランティアをしながら、女性と子供支援に特化したNGOでインターンを経験。2013年から産油国への協力事業(教育・投資促進)に数年携わった後、当団体勤務。主観や偏見をできるだけ取り除き、問題の本質を常に考えることと、多様な価値観を武器とし、皆で知恵を出し合い事業を運営するのが目標。2016年からJVCに参加。
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