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日本での地震、そして

パレスチナ現地調整員 津高 政志
2011年3月15日 更新

ガザ出張当日。イスラエル側の検問を通過し、ガザ地区内の緩衝地帯に入ります。そこでいつも「荷物運び20シェケルでどうだ?」と言ってくる男性が、そのいつもの台詞を言った後、「あなたたちは日本から来たんだったな?ムシュケレ!」と言いました。「ムシュケレ」は問題とも事件とも取れるアラビア語で、この言葉を聞いたときはまったく気にも留めませんでした。

検問所を越えるといつものように東京事務所に電話をかけるのですが、今日はなかなか繋がりません。あまりにもおかしいので携帯電話から日本のニュースを見始めると、日本で地震が起きたことが発覚しました。

しかし、このような事態が起きてもガザでの予定を狂わせるわけにはいかないので、日本との連絡を試みながら、いつものように村に入ります。

驚いたことに、養鶏事業に参加している家族の家庭を訪問すると、口々に「日本で地震があったらしい」「あなたたちの家族は大丈夫か?」「津波が4メートルもあったとニュースが言っていたぞ」と私たちに聞いてきます。また、養鶏事業のコーディネーターのファリッドさんはミーティングを始める前に、改まってこう切り出しました。「何よりも前に、今回の地震で被害にあった日本の人たちにお見舞いを申し上げたい」

メールでもお悔み・お見舞い・応援のメッセージをいただきました。
「私たちパレスチナ人はあなたたちとともに深い悲しみの中にある。けが人が早く回復し、命を亡くした者たちに慈悲が与えられるよう祈っている」(ガザ緊急支援で共に行動したPMRS(パレスチナ医療救援協会)ガザ代表)
「何千もの死者と負傷者を出し、そして多くの建造物などを破壊したこの災害が与えている苦しみを見聞きしています。私たちはあなたがたJVCと日本の人々、そして政府に対し、最大限のお悔みと同情を申しあげ、けがをした人たちが一刻も早く立ち直り、すべての人々に安全がもたらされるよう願っています」(養鶏事業に関わってくれているガザの獣医)

僕を見るなり「連帯だぜ!」と左胸に拳を作ってみせる難民キャンプの少年もいました。ガザで働く医師である僕の友人は、僕の目を真っ直ぐに見ながら「いいか、今回の震災に関してできることがあったらいつでも言ってくれ。もうすでに被災地に行く準備はできている」と言います。他にも僕の家族・友人の安否を気遣ってくれる言葉は数知れず、多くの人から電話やメールで励まされました。

なぜ人はここまで優しくなれるのか。これだけの困難を前に、なぜここまで強くあれるのか。そういったことをパレスチナの人たちはいつも考えさせてくれます。


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