2009年12月の記事一覧
パレスチナで、解決が特に難しいとされてきた問題としてこの3つが挙げられます。国際法上のパレスチナの土地を事実上大きく奪う形で建設されている「分離壁」の問題。そして1948年以降大量に発生したパレスチナ難民の帰還権の問題。そして国際的な取り決めで東西に分裂されるも、イスラエルによって勝手に併合されたエルサレムの問題。その3つの問題全てが集中している場所があります。ここはシュアファット難民キャンプ、エルサレム市内にありながら分離壁でヨルダン川西岸側に隔離されてしまった、エルサレム唯一の難民キャンプ。
2008年末に始まったガザに対する大規模な攻撃から、もうすぐ1年が経ちます。町では、爆撃で破壊された大きなビルの瓦礫などが、ところどころですが撤去されている光景を見かけました。また、通りではそのような所から集めた瓦礫を砕き、再度生成してブロックにする作業をしている人々を多く見かけました。セメントから作るブロックより強度は弱いそうですが、「あるもの」を再利用してなんとか復興しようとする姿が見られます。
ガザの現地NGO「人間の大地」を訪問した12月初旬、ガザは気温が下がりすっかり冬になっていました。センターに通ってくる栄養失調の子どもたちも、毛糸の帽子をかぶっていたり、暖かそうなコートを着込んでいます。