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ガザの封鎖が与える影響:「人間の大地」センターから

パレスチナ現地代表 福田 直美
2009年11月11日 更新

JVCはガザの現地NGO「人間の大地」と協力して、栄養失調の子どもたちに挽いたお米や豆類、セモリナ粉、ナツメヤシのペーストなどの乾燥食材を提供していました。この配布が実は、夏以降これまで数ヶ月止まっていました。新鮮で質の良い食材がガザに入ってこず、やっとガザに入ってきた食材に虫がわいてしまったのです。「人間の大地」代表のイテダルさんは、「検問所で特に夏場に数ヶ月も止められたら、傷んでしまうのも当然」といいます。いまだガザへの物資の搬入は厳しく制限されており、物資を積んだトラックがガザとの境界線上にある検問所でどのくらい待たなければいけないかわからない状態なのです。UNOCHA(=United Nations Office for the Coordination of Humanitarian Affairs、国連人道問題調整事務所)によると、ガザに入ってくる物資を積んだトラックの台数の今年7〜10月の月平均は、1〜6月までの平均と比べて2割以上少なくなっています。「人間の大地」ではできるだけガザで購入できる食材を使用していますが、そうでないものはガザの外から入ってくるものを購入しているため、封鎖によって栄養失調の子どもたちへの食材の配布にも影響が出ているのです。

地元の製粉所からもサンプルが送られてきた地元の製粉所からもサンプルが送られてきた

ガザ事務所を訪れたこの日はちょうど、業者や製粉所などが食材のサンプルを持ってくる日でした。イテダルさんは、それぞれの食材をチェックします。「このセモリナの方がきれいに製粉してあるでしょ。でも貴重な栄養素を取り除いてしまっているわね」「同じ豆でもこっちの方が新鮮ね」などと、じっくりサンプルを調べています。面白いもので、よく見ると同じ食材でも見た目が全く違うのです。より栄養素が高く、お母さんたちが調理しやすいもの、そして乾燥食材とはいえ鮮度が高いものを選ぶ必要があります。また今度からは、ガザの製粉所に材料を持ち込んで製粉することになりました。一度に大量に製粉するのではなく、こまめに製粉することで鮮度を保ちます。翌週、購入する業者が決まり、配布が再開する日も近そうです。

同じセモリナ粉でも見た目も栄養も違う同じセモリナ粉でも見た目も栄養も違う

「人間の大地」ハンユニスの栄養センターでは、重度の栄養失調のサブリーンちゃんに出会いました。この日ちょうど8ヶ月になったのですが、元気がありません。腕は細く、首の後ろの皮膚はシワシワです。最初にセンターに来た9月末、体重は4.5kgあったのですが、2日前に来た時は3.8kgへと下がってしまいました。どうも食欲がないようで、食べても吐いて戻してしまいます。健康な8ヶ月の子どもであれば体重は8kgあってもよいとのこと。サブリーンちゃんはまさに、その半分の体重しかないのです。

サブリーンちゃんに栄養食を食べさせるお母さんサブリーンちゃんに栄養食を食べさせるお母さん

「家には1シェケル(約25円)すらない」とお母さんは言います。お父さんは数年前に家族間の争いに巻き込まれて足を負傷し、今は歩くこともできないそうです。負傷する以前は通りでジュースなどを売る商売をしていたのですが、それが出来なくなって以降、一家に収入はありません。家では何を食べさせているのか聞くと、自分の家では食べさせるものがないので、親戚の家の作るご飯に頼っているとのことです。お母さんは、サブリーンちゃんのために特別に作ってあげることができない、と申し訳なさそう。その上サブリーンちゃんには、注射器のような器具で液状にしたものを食べさせているそうです。「抵抗して食べないから」とお母さんは言いますが、健康指導員の女性は「子どもが食べることを楽しめなくなってしまうから、頑張ってセンターでやっているみたいにスプーンで食べさせてあげて。それから、一度に食べさせようとするのではなく一時間ごとに少しずつ食べさせるといいわ」とアドバイスしました。食べるものだけでなく、「どのように食べるか」も大切なのです。

さて、1回目のご飯(フルーツ食)が終わった後、2回目のご飯(野菜とお肉のスープ)までの間は、健康指導員さんのお母さんたちへのカウンセリングが行われます。栄養状態が改善しない子どものお母さんには、一人一人聞き取りとアドバイスを行います。その後この日は、皆でお母さんの家での生活についてのビデオを見ました。旦那さんに「少しは家のことをやってよ!」などと子育てや家事の協力に関して強気で主張する女性の話です。「家のことは皆、女性が背負わなければならないのよ!」と見ていた女性は笑いながら言います。皆、画面の中の女性にとても楽しそうに"共感"しているのです。この栄養センターに子どもを連れて来ている女性の旦那さんのほとんどは、仕事を持っていません。経済の悪化により仕事を失った人、農地や働いていた工場を破壊された人、怪我をして仕事ができなくなった人、以前はイスラエルに働きに行っていたけれども封鎖のため外に出られなくなり仕事を失った人。家に現金が全くない、というサブリーンちゃんの家庭は例外ではないのです。「もちろん仕事が見つからないということもあるけれども、精神的に疲れてしまって家の中に閉じこもってしまう男性も多いのよ」と健康指導員さんは言います。そういった家庭の中では特に、お母さんが元気でいることが大切なのでしょう。「人間の大地」の栄養センターは、お母さんが子どもたちの栄養について学びながら、同時に皆で辛さを共有し、励ましあう場なのかもしれません。

健康指導員によるカウンセリング健康指導員によるカウンセリング

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