やっとたどり着いた、エリコの公園。
子どもたちはめったに行く機会のないプールで大はしゃぎ。女性たちも服を着たまま水の中で遊びます。


一方、芝生でバレーボールなどをする女性たちも。体格のよい女性たちが「ホォッ!」と声を上げながら豪快に「跳ぶ」姿は、なかなか見られるものではありません。いい運動にもなったかしら。


おいしいランチも食べた後は、皆で輪になって歌って踊りました。
「あなたの息子さんが、早く刑務所から帰ってきますように」
「あなたのお母さんがヨルダンから、いつかパレスチナに戻ってくることができますように」
と歌うと、涙を流す女性も。
メンバーの中には、旦那さんや息子さんたちが刑務所に入っている女性たちも少なくありません。それも1人でなく、また長い人では10年以上刑務所にいる人もいるのです。皆で共に願いながら、歌い、踊り続けました。
女性グループの活動は彼女たちにとって、悲しみや辛さを共有する場にもなっているのかもしれません。

また、この日は、刺繍の技術が高いメンバーたちへの「表彰」が行われました。昨年秋から全ての商品に、誰が刺繍をしたかわかるように印を付けはじめ(印は品質チェックの後、外しています)、高い技術にはポイントを付けていくようにしたのです。
今日は、このポイントや、また普段からきちんと計画通りに仕事を仕上げてくるか、チームワークをもって仕事ができるか、なども含めて受賞者を決めました。
印をつけることによって、女性たちが自分の仕事に責任をもって取り組むようになりました。ここ半年で、私がダメ出しをする出来の商品が激減したのです。
まずは女性たちに、
「いつもお仕事をありがとう。これからもしっかり、怠けることなく喧嘩することなく(強調)、楽しくやっていきましょう」
とお礼。そして、最もポイントが多かったメンバー2名、それからここ半年で技術が上がったと評価された3名が発表され、小さなプレゼントがJVCから渡されました。

最も技術が高いメンバーとして表彰されたインシラフさんは、名前が呼ばれた途端、叫び声(!)をあげて驚き、喜びました。
インシラフさんは、誰もが認める高い技術の上に、
「クッションカバーなどの大きくて刺繍の量が多い商品は、彼女のほかに誰もやりたがらないの。みんな面倒くさがりなのよ!でも彼女は仕事を選ばないし、大きい商品でも丁寧に、期限内に仕上げるわ」
という中心メンバーの推薦もあり、受賞が決まりました。
また、技術が上がった、「頑張ったで賞」を受賞したスハさんの4歳になる子どもは、「僕のお母さんが表彰された!」と、お母さんよりも嬉しそうです。
表彰されたメンバーは一人ひとり輪の中心になって踊り、喜びを表現しました。
さきほどは歌を聴いて泣いていたサルワさんも、「頑張ったで賞」を受賞。
「とてもハッピーよ」と笑顔のハグは、とても温かかったです。
この後、なんともう一箇所公園を「はしご」。
夜8時を過ぎても「帰りたくない」という女性たちを、園内アナウンスまでかけて招集し、帰途につきました。
ベイト・ジブリン難民キャンプに戻ったのはすでに夜9時半を過ぎていましたが、女性たちは元気に「ありがとう!また、センターでね!」と、すでに眠ってしまっている子どもたちを抱えながらそれぞれの家へと戻っていきました。
長い一日。女性たちのたくさんの笑顔が見られて、疲れているけれどもとっても温かい気持ちで、私も家に戻りました。

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