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ズフール・センターのサマー・プログラム

2008年9月 5日 更新

JVCは今年、長崎童話館「子どもの平和と生存のための童話館基金」様、故・清原美彌子様のご支援もと、シュアファット難民キャンプの2つのセンターでのサマー・プログラムを支援しました。7月上旬から始まったサマー・プログラムは、8月上旬までに2箇所とも無事終了。多くの子どもたちが、一ヶ月以上毎日のようにサマー・プログラムへと足を運びました(詳しくは、こちらの記事を参照ください⇒「シュアファット・キャンプのサマー・プログラム」「パレスチナ子どもセンターのサマー・プログラム【1】」「パレスチナ子どもセンターのサマー・プログラム【2】」)。

ズフール・センターはシュアファット難民キャンプの中でも特に貧困常態が厳しい地域にあります。センターのすぐ外側からは、分離壁とその向こうには入植地が見えます。普段は、午前中は幼稚園として小さな子どもたちが集まり、午後は大きい子どもたちやお母さんたちが集まってスポーツや語学、保健教育のレクチャーなどを受ける場所となっています。

このセンターのサマー・プログラムには、120人の子どもたちが参加しました。女の子が大きな男の子と一緒に活動することを宗教的に好まない家庭も多いのですが(このキャンプの中にあるUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)の小学校も子どもたちは男女別々です)、ズフール・センターのサマー・プログラムは女の子と小さな男の子に限定しているので、そういった家庭のお父さん、お母さんたちも安心して子どもたちを参加させることができるのです。そのためボランティアさんたちも全て女性です。大きな男の子たちには、サマー・プログラムが終わった後の時間に「午後の部」が設定され、夏休み中もスポーツなどの活動を行っていて、50人の男の子が参加しました。

ボールに色を塗って人形の頭にします。乾くまで待ってねボールに色を塗って人形の頭にします。乾くまで待ってね
帽子を作りました。似合ってる?帽子を作りました。似合ってる?

サマー・プログラムの活動は、図画工作、手芸、歌とダンス、ビデオ鑑賞、スポーツと様々です。ある男の子は、トイレットペーパーの芯を利用した人形づくりで、2つ人形を作っていました。どうやら男の子と女の子のようです。誰?と聞いてみると、「お姉ちゃんがもうすぐ結婚するから、これをあげるんだ」と嬉しそうに教えてくれました。別の子どもを迎えにきたお母さんは、その女の子が描いた絵を「とてもよくできたね」と嬉しそうに褒めていました。ボランティアさんに聞くと、人形も絵も、子どもたちはただ作るのではなく、友達や家族など「誰かへのプレゼント」として心をこめて作っていたようです。だから、作ったものがこんなにも表情豊になるんだなあ、と感心してしまいました。一ヶ月のサマー・プログラムを通して、子どもたちは表現力や思いやりも伸ばしたようです。

女の子たちは音楽に合わせて踊ります女の子たちは音楽に合わせて踊ります

8人の女性のボランティアさんたちは、事前に医療救援協会による救急法講習を受け、万が一の事故にも備えました。センターのスタッフの女性は、「子どもたちは本当にボランティアさんたちを信頼しているわ」と誇らしげにいいます。お姉さんたちの言うことを、子どもたちはきちんと聞いて行動します。お昼ご飯を食べる前には、子どもたちが自ら、それまでお絵描きをしていた机を拭いたり、一日の終わりには大きなゴミ箱を持って部屋を掃除したりしていました。また小さな子どもたちも、ご飯を食べる前にはしっかりと手を洗っていました。ボランティアさんたちだけでなく子どもたちも、医療救援協会の保健指導員さんから手洗いや歯磨きなど衛生についての指導を受けたのです。サマー・プログラムは子どもたちにとって、遊ぶだけではなく学びの場でもあるのです。

保健指導員さんからは、手洗いや歯磨きなどについて学びました保健指導員さんからは、手洗いや歯磨きなどについて学びました

パンに穴を開けて覗いているのは誰?パンに穴を開けて覗いているのは誰?

ある日、スイミング・プールへの日帰り旅行に連れて行ってもらいました。2台のバスに分かれて出発。子どももお母さんたちも、大きなバッグを抱えています。何かと思えばやはり、お昼ご飯。「私のお手製のケーキよ」「これは昨日作ったワラカイナブ(パレスチナの伝統料理で、ブドウの葉にお米とひき肉を巻いた料理)」と、色んなお母さんの手料理をご馳走になってしまいました。子どもたちが特に楽しみにしていた日、お母さんたちも張り切って準備したようです。室内の女性だけのスイミング・プールに入るお母さんたちもいれば、プールサイドで子どもたちをずっと見守っているお母さんたちもいました。

プールサイドでは子どもたちを見守るお母さんがずらり!プールサイドでは子どもたちを見守るお母さんがずらり!

降水量の少ないパレスチナですが、パレスチナの水源の約9割はイスラエルに管理、使用されているといわれています。一人一日あたりの水の使用量は約60リットル。イスラエルの同使用量が約280リットルであることを見ても、その差は圧倒的です。しかも今年は水不足。西岸の各地で、「ここ数週間、地下のパイプに水が来ない」という声を夏の間色々な家庭で聞きました。キャンプを見下ろすように隣接する入植地にはプールを備えた個人宅すらあるというのに、難民キャンプの中にはもちろんスイミング・プールはありません。子どもたちにとっては、こういった機会でなければプールで泳ぐ機会はないのです。どんなにこの日を楽しみにしていたことか。歓声を上げて水に飛び込んでいく姿や、水に浸かりすぎて「元に戻るのか?」というくらいにふやけてしまった指を得意げに見せる笑顔がいっぱいの一日でした。

難民キャンプの中で、女性たちが集まれる場所はとても貴重です。厳しい生活状況の中、女性、母親としての問題をシェアしたり、ともに子どもたちの健康についての知識などを学ぶことはとても重要です。「お母さんたちが強ければ、たとえ経済状況が悪かったとしても、治安面など子どもたちにとってあまりよくない生活環境だったとしても、子どもたちは元気にすくすくと育っていくの。だから、子どもたちだけでなくお母さんたちの教育は本当に大切」と、このセンターで働くソーシャルワーカーの女性は言います。また、午後の男の子の活動のコーディネーターとして活躍する青年は、「このキャンプでは、道を歩けば悪い誘惑がたくさん転がっている。特に男の子はより大きい男の子の影響を受けやすいから、犯罪に気づかないうちに巻き込まれていくこともある。特に学校が休みになる期間は、子どもたちが安心して集まることができて、運動してストレスを発散する場所はこのキャンプの中ではとても貴重」と話します。

いつも一緒!外に飛び出しては捕まった男の子たちいつも一緒!外に飛び出しては捕まった男の子たち

ズフール・センターは、子どもから大人まで色々な世代の人々を応援することによって、シュアファット難民キャンプで生きて行く人々、その社会を支えているのです。最終日のイベントに集まった数百人の子どもたちの家族を見て、サマー・プログラムの主役は子どもたちだけではないのだなあ、と感じました。サマー・プログラムは終了しましたが、9月からはまた幼稚園として、子どもたちやお母さんたちが集う場所として、新しい年が始まりました。センターで活動する、子ども、青少年、母親たちを、JVCとしても応援していきたいと思います。

最終日のイベントで踊りを披露する子どもたち。僕のお母さんどこかな?最終日のイベントで踊りを披露する子どもたち。僕のお母さんどこかな?

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