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ナクバ60周年【3】:サイレント・マーチ・イン・エルサレム

パレスチナ現地代表 小林 和香子
2008年5月11日 更新
ナクバ・サバイバーと家族達ナクバ・サバイバーと家族達

イスラエルの独立記念の祝賀モードの中、西エルサレムでは、ナクバ60周年を記念する「サイレント・マーチ」が行われました。

1948年前後に西エルサレムの家を追われたパレスチナ人「ナクバ・サバイバー」が、家族や友人を連れて集まり、彼らの家の前を歩いて回るものです。ナクバとは1948年の戦争前後に虐殺、追放、あるいは一時的に故郷を離れたものの故郷に帰ることを許されず難民・避難民となり、家族や社会が分断されたパレスチナ人にとっての「大惨事」のことを指します。そしてナクバ・サバイバーとは、その大惨事を生き延びた人達のことです。

典型的なパレスチナ人の家典型的なパレスチナ人の家

西エルサレムのタルビエ、ジャーマン・コロニー、バカー、カタモンなどの旧市街の南西に位置する地域は、主に1930年代、40年代に、エルサレムの名家・旧家とされる人達がこぞって豪邸を建てた「高級住宅街」でした。そして、そこには今でもその頃に建てられた、マムルーク朝様式のアーチを施し、特注のタイルや鉄門を使用し、レモンやびわの木が植わる前庭がある洒落た美しい家が立ち並びます。

アーチが特徴なパレスチナの家アーチが特徴なパレスチナの家

しかし、1948年の戦争で一時的にでも家を離れた人々は、イスラエルにより「不在者」と見做され、彼らの家はイスラエルによって管理者に渡され、そして売買されていきました。このようなアラブ様式の家はイスラエル人の間でも人気があり、現在では数億円単位の価格で売買されています。そしてこれらの家の多くはイスラエルの旗を目立つところに掲げています。

ナハラも、ナクバ・サバイバーでこの地区の家を失った一人です。現在78歳の彼女は、当時のことをこう語ってくれました。

流暢な英語で語るナハラ流暢な英語で語るナハラ

「私たちは1948年4月17日にこの家を離れたの。母親と兄弟とでシリアの親戚の元に避難したの。何故って、それはエルサレム各地が襲撃されて、危険だったからよ。とても怖かったわ。父親だけが家に残ったの。彼が立てた自慢の家だったの。私たちも数週間で紛争が落ち着いたら戻るはずだったのよ。でも、父親も結局家を追い出されたの。私たちは2年ほどシリアで過ごして、エルサレムに帰ってきたの。でも自分達の家には帰れず、東エルサレムに家を借りて住むようになったわ。すぐそこに家があるのに、そこは取り上げられて二度と住むことはできなかった」

ナハラの家は、カメラに収まりきらないほど大きな家でした。多くのパレスチナの家がそうであるように、その家も多世帯住宅になっていて、父親の弟家族も一緒に暮らしていたとのこと。マムルーク様式のアーチが施された玄関、特注の鉄門、前庭にはびわの木が実をつけていました。

ナハラは懐かしそうに、「この鉄門も当時のものよ。このびわの木も随分大きくなったわ」と話していました。

ナハラの家。びわの木が茂る前庭。ナハラの家。びわの木が茂る前庭。

ナハラに和平についての考えを聞きました。

「まず、イスラエルが過去に犯した過ちを認めることが必要よ。それから初めて、難民への補償や和解について話しあえるのよ。私たちパレスチナ人は教育も高いの。ちゃんと「人間」として扱ってほしいの。私達の存在と権利を無視した和平はうまくいかないわ。国際社会にも紛争の根本原因を理解してほしい」と言います。

予定されているブッシュ大統領訪問についても「米大統領がイスラエルの建国記念のお祝いに来るなんてとんでもない。アパルトヘイト時代の南アフリカの建国記念にお祝いに行く指導者がいますか?」と反対でした。

イスラエルに過去の過ちを認め謝罪してほしい。パレスチナ難民がなによりもイスラエルに求める「正義(ジャスティス)」です。自分達を同じ人間として、正当に扱ってほしい。この思いこそが、過去60年間、劣悪な環境の中でも清く正しく勉学に励み前向きに生きようと努力させてきたのだと、私は思います。


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