2008年3月の記事一覧
医療救援協会(MRS)のラムジー先生が、アイザリヤの道を運転しながら言いました。「僕も昔はここによく遊びに来ていたんだよ、何しろ5分しかかからなかったからね」。
西エルサレムにあるユダヤ神学校メルカズ・ハラブで8人の生徒が犠牲になった乱射事件の犯人が、東エルサレムのジャバル・ムカッバル地区の出身とわかりました。出身者が西岸でもガザでもなくエルサレム出身だったことにイスラエルの多くの人が戸惑いを感じているようです。何故このような事件を起こしたのか。彼の育ったジャバル・ムカッバル地区の状況をまとめてみました。もちろん、どのような背景があったとしても、一般市民を巻き添えにする暴力は許されるものではありませんが。
3月6日夜、西エルサレムにあるユダヤ神学校メルカズ・ハラブで乱射事件があり、8人もの生徒が犠牲になるという大惨事となりました。一般市民を巻き込むこのような行為は批難されるべきで、犠牲者になった人々に追悼の意を表します。事件直後、メディアでは犯人の情報が混乱していました。ハマス関係者なのか、壁の向こうのパレスチナ自治区西岸からどうやって入って来たのか?ヒズボッラー系の団体が声明を出したとの情報がながれました。その後、犯人は東エルサレムのジャバル・ムカッバル地区出身者とわかりました。何故犯人がこのような行動に走ったのか、そして何故この神学校が狙われたのか、充分な情報はまだありません。そんな中で、このメルカズ・ハラブという神学校が意味するものを振り返ってみました。
「まるで第一次インティファーダのようだ」と語ったのは、学校保健プロジェクトの専属医師のラムジー先生。彼と前日に東エルサレムと西岸各地で行われたデモンストレーションやストライキのことを話しているときに飛び出した言葉です。第一次インティファーダは1988年にガザでイスラエル軍によってパレスチナ人が殺されたことを発端に、ガザを拠点に東エルサレムを含む西岸各地に広がった占領抵抗運動のこと。石を投げる子供達の姿が象徴的に取り上げられましたが、運動の中心は、女性や子供も含めたデモンストレーションやイスラエルへの税金不払いなど非暴力運動だったのです。
2月27日(水)からイスラエル軍によるガザ爆撃がエスカレートしている。水曜日には12人が、木曜日には16人が、土曜日には61人が犠牲になったとされている。4日間で約90人が犠牲になっている。そしてその約三分の一は一般市民とされ、その中にはサッカーをしていた男の子達、家で寝ていた6ヶ月の赤ちゃんや生まれて2日にしかならない赤ちゃんも含まれる。イスラエルでもガザからのロケットのために、学生が1人、兵士が2人犠牲になっている。負傷者の数はその何倍にもなる。

2月27日夜、パレスチナ医療救援協会(PMRS)のガザ本部ビルが破壊されました。近くにあるパレスチナ自治政府内務省ビルをイスラエル軍が空爆した際に被害にあったのです。PMRS本部ビルにはクリニックと薬局、2台の救急車と障害者のための器具貸し出しセンターと管理事務所が入っていました。PMRSは今回の攻撃でビルは半壊、救急車一台、全ての医薬品、ほとんどの機材が破壊されたとしています。