2007年11月の記事一覧

宗教と紛争について
宗教は紛争に関与している。エルサレム問題は特に宗教的要素が強く、宗教的観点なしでは解決できない。今までの解決方法は宗教の要因を無視したために失敗したとも言える。一神教は唯一の真実を求めたことで、自分達と彼らを区別するという不寛容性を備えることになった面もある。しかしすべての戦争が一神教の間に起こっているわけではない。

イスラエルとパレスチナ間の紛争にはいろんな側面があります。土地を巡る紛争、資源を巡る紛争、占領者に対する被占領民の抵抗運動、主権争い、権利闘争、宗教紛争、民族紛争、テロとの戦い。中でもパレスチナという土地がユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地であることが、宗教がそれぞれの民族の形成に関係し、紛争とも深い関係を持ってきたことは事実です。宗教が社会に与える影響が大きいこの地域で、宗教はあるいは宗教者は紛争解決にどのような役割を担っているか、また、仏教徒あるいは日本人がこの紛争の解決にどのような役割を担えるのか、それを一緒に考えるために、三つの一神教の宗教者であり学者を日本にお招きし、日本の仏教者・学者との対話を持つことになりました。
シュアファット難民キャンプは、エルサレム市に位置する唯一の難民キャンプです。人口は1万人を超え、ほとんどの人が、エルサレム居住権があることを示す“Blue ID”を持っています。キャンプの北と西側には大きな入植地があり、そこから見下ろされる形でフェンスで囲まれています。
パレスチナでは今年は特別長かった夏もようやく終わり、景色や、道端で女性が売っている果物や野菜からも、秋の気配が感じられるようになりました。エルサレムでは数週間前に雨が振りました。雨は夏の終わりを告げ、これから冬へ近づく合図です。そしてこの雨は、オリーブの収穫の季節の到来も告げます。