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巡回診療:アル・ラム

2007年7月21日 更新

7月は、東エルサレムの学校のサマーキャンプの時期です。学校は6月から8月末までお休みになりますが、子どもたちの夏休みの間の活動としてサマーキャンプが開催されます。今日はアル・ラムにある学校のサマーキャンプの一環として、MRS(医療救援協会)が健診を行う日です。この学校には、幼稚園から7年生までの子どもたちが200人通っています。

右目の視力を測る。「開いているのは…上!」右目の視力を測る。「開いているのは…上!」

今日は、MRSから医師と2人の保健指導員さんが参加し、75人の子どもたちに視力検査、身長・体重測定、そして健康教育のレクチャーを行いました。視力検査も初めての子どもも多く、子どもたちは少し緊張した様子。しかも他の子どもたちが見ている前では、もっと緊張するようです。日本と同じように丸印の一部に穴が開いていて、指された印について「上」「右」などと穴の開いている方向を言うのですが、そわそわしながら待っている子どもが「上だよ!」と言ってしまうという場面もありました。

保健衛生士さんが一人ずつ視力をチェック保健衛生士さんが一人ずつ視力をチェック

検査と測定の終わった後は、保健指導員さんによる健康教育です。学校には保健室もなく保健師さんもいません。普段からきちんと健康管理をしていくために、歯を磨くことなどの基礎的なことから、ばんそうこうなどの応急セットの使い方を習います。子どもたちだけでなく、先生たちも真剣に耳を傾けていました。この村にはプライベートのクリニックしかありません。プライベートクリニックでの治療費は、村の人たちにとっては大きな負担です。学校も、全ての子どもが学費を払えているわけではなく、個人の寄付が学校の運営を助けています。

アル・ラムは、エルサレムの北部の村ですが、今は壁の“向こう側”となってしまいました。村のすぐ西に、エルサレムまでまっすぐ続く大きな道があるのですが、この道を境に東西は分断されてしまったのです。そして村の南側にも壁ができてしまいました。村の約半数の人がエルサレムIDを持っていますが、彼らがエルサレムに行くには、車の場合は村のすぐ南の、車用のゲートを抜けてチェックポイントを通らなければいけません。朝、ラムジー先生の車で学校まで向かう途中、車用のゲートのすぐ手前でイスラエル兵が私たちの車を止めました。「どこへ行くんだ」「アル・ラムまで」。そこは通過できたのですが、そのままゲートへ向かうとゲートは閉まっており、結局私たちは別ルートを迂回して行かなければなりませんでした。帰りは別の道を通り、エルサレムの東側のチェックポイントを抜けて帰ってきました。ゲートが開いているかがそこに行くまでわからないのであれば、毎日ここを通らなければならない人にとっては大きな困難でしょう。子どもたちにとっても、学校のすぐ近くに走る壁の存在は精神的なストレスだと思います。サマーキャンプで遊び、学び、体を動かし、笑い、そしてそれを皆で共有することによってストレスを解放し、そして9月からの新学期も楽しく学校に通ってほしいと願います。


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