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学校健診:アイザリア幼稚園

パレスチナ現地代表 小林 和香子
2007年4月25日 更新

今回の医療救援協会(MRS)の学校健診は東エルサレム郊外アイザリアの幼稚園です。東エルサレムのベッドタウンとして機能してきたアイザリアですが、今では東エルサレムの中心部と「壁」により切断されており、西岸に建設された巨大入植地マアレ・アドミムを迂回し、検問所を越えなければ辿りつくことができません。学校や病院などの社会サービスや雇用先から切り離された人々の生活は日を追うごとに厳しくなっています。

幼稚園の教室を即席で診療室に幼稚園の教室を即席で診療室に

今回訪れた幼稚園には約50人の園児が通っています。幼稚園には3つの教室と真ん中に事務所スペースがあって、校庭にはブランコや滑り台があります。教室のひとつにテーブルを並べて、上にマットレスをひいて即席診察ベッドを作りました。今日は通常の授業は中止。診察を受けていない園児たちは、隣の部屋で歌やお遊戯を楽しんでいました。

今日は23人の園児を診察。身長・体重測定と内科、耳鼻咽喉科、皮膚科等の健診です。今日は扁桃腺炎、呼吸器官系疾患、皮膚の湿疹の子どもが見つかり、ラムジー先生は処方箋を書きました。また、皮膚がんの可能性のある少女が見つかり、ラムジー先生はがんの専門医の診断の必要として園長さんに紹介状を預けました。幼稚園は彼女の両親を呼んで、専門医の診断を受けることを勧めると言っています。この子には背中からお腹にかけて大きな染みのようなものがあって、家族が異常に気がついていないわけはないのですが、今まで病院に行った形跡はありません。先生は彼女がベドウィンなことも関係していると言います。ベドウィンの家庭はパレスチナでも特に保守的な習慣が残っています。彼らは、女の子は病気になったことが回りに知れると、将来結婚が出来なくなると考えているとのこと。また、エルサレムやイスラエルの病院で治療するには、通院のための許可証の申請や付き添いなど、家族にも本人にも多大な負担が待ち構えています。この子が女の子であることが、家族を躊躇させている可能性もあります。彼女のような病気の場合、治療費は自治政府か、医療NGOが負担することが可能なはずなので、治療費は必ずしも問題ではないとのこと。

医療NGOが実施している健康診断は、このような病気を早期発見し早期治療につなげることを目的としています。しかし、私達に出来るのは、専門医の紹介までで、実際に専門医の診察を受けて、必要な治療を受けるかどうかは、各家庭の判断に委ねられています。それでも、ラムジー先生とは園長先生を通してこの子の今後の展開を一緒に見守っていこうと話しています。

お遊戯をする園児達お遊戯をする園児達

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