2006年8月の記事一覧

JVCが緊急支援しているガザ南部の「人間の大地」ハンユニスセンターを訪問。イスラエル軍による侵攻が沈静化して、移動が可能になったので、センターは大勢の母親と栄養失調の子ども達で溢れかえっています。見るからに小さくて元気のない子ども達と不安そうな表情の母親達です。センターではちょうど栄養食を作っているところで、おいしそうなにおいが漂ってきます。振舞われるのは栄養価の高いレンズ豆などを中心に、栄養とカロリーを計算した、おかゆのような食事。子ども達はまず診察を受けて必要な栄養とカロリーが計算され、それにあわせて栄養食をもらいます。小さな子ども達の多くは大人しく、食べさせられていました。
8月22日、2年ぶりにガザに入りました。イスラエルとガザの境界上で人間が通過できる唯一の検問所エレツ。2年前はトタン屋根だけがある、パレスチナ人用の通路と検問所と、VIP用の通路と検問所に分かれていました。当時パレスチナ人労働者は、境界線からほど近くに立てられた、イスラエルの工業地帯で安い労働力を提供するか、夜が明ける前から検問所にならび、うまくイスラエル側に出られれば、検問所を出たところで日雇いの仕事を探していました。しかし、今の検問所付近は、ひっそりと静まり返っています。イスラエルの工業地帯は閉まったままだし、イスラエルに出稼ぎに行けるパレスチナ人はいません。新しく出来た検問所もパレスチナ人と外国人・VIPとをわけていません。ここで見かけるパレスチナ人は、救急車でイスラエルの病院に運ばれる人など特別許可が取れた人だけです。

JVCが現地の医療NGOパレスチナ医療救援協会と行っている共同事業に「壁」と入植者専用道路に囲まれて医療サービスが受けづらくなっている地域への巡廻診療があります。今回はそのような村の一つ、ベイト・スダン村への巡廻診療に同行しました。

ベツレヘムのベイト・ジブリン難民キャンプのハンダラ文化センターでは、今年も子どもたちが楽しみにしている、サマー・プログラムの季節がやってきました(2005年の活動はこちら現地便り、127、128、129、130)。約100人の子どもたちが、プログラムへの参加を申し込みました。