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イスラエル軍侵攻とガザの人々の生活 8

パレスチナ現地調整員 藤屋 リカ
2006年7月16日 更新

ガザ入り
14日金曜日、ガザに入ることができました。
アイルランド領事館の代表と心理学者で大学でも教えている妻と娘、協力関係にあるアメリカのNGOの代表と一緒でした。外交官は状況が厳しいときでも、移動の自由は保障され検問所も車で通れます。スムーズに移動ができるようにNGOの代表が調整してくださいました。

エレツ検問所を越えガザに入りましたが、車はほとんど通っていません。金曜日で休日ということもありますが、ガソリン不足の深刻さが伺われます。水を積んだロバの荷車は見かけました。

アイルランド領事館の代表は、ガザで働く同国の国連職員を訪ねて、最新の情報を聞き、各国政府の対応等についての情報をシェアしていきます。また危機的状況のなか、仕事を続けているスタッフ食事に招いて労をねぎらいます。
UNRWA(国連パレスチナ難民救援機関)の職員からは一緒に話を聞きました。
「中立的に働く立場で、集団懲罰ということばを使うかどうかは難しいです。しかし、現実に目を向ければ、人々は「集団で苦しんでいます」これは紛れもない事実です」
「イスラエル軍は変電所を破壊しました。しかしその必要は全くないはずです。ガザの電気の約半分はイスラエルからです。イスラエルからの電気のスイッチを切ればすむことです。問題はインフラの破壊です。物流専用検問所のガザ側の施設も破壊されました。これは経済活動には大打撃です。ガザの経済活動の基盤となる施設が破壊され続けています。これらは、ガザの人々の生活が回復し、和平に向かえる兆しが持てることを不可能にしています」

領事館の代表自らが、ガザの地元団体で支援を続けているところに、支援金と子どもたちのためのぬいぐるみやお菓子を届け、支援している障害者施設で刺繍製品等のそこで製作している商品を大量に買って、活動を励ましていました。
聴覚障害者のための陶磁器ワークショップでは、ソニックブーム(衝撃波)で、多くの陶磁器が割れてしまいました。丹念に手作業で作ってきたものです。担当者は、
「耳の聞こえない人たちに、何が起きているのか、どうやってこの状況を説明したらよいかわかりません」と嘆いていました。

ガザ市内の海岸線には家族も多く出ていました。(しかし、これも外国人が滞在するホテルの近くのビーチだけのようです。(7月14日)

肉入りご飯と空爆
シュジャイヤ地区のアヘル・アル=ヘイル幼稚園では、子どもの栄養改善事業でのサマープログラムを先週から開始しました。しかし、軍事侵攻が近くまで及んだことに加えてパレスチナ内部の権力闘争もあり、爆発音や銃声が絶えず、サマープログラムどころではなかったようです。
今日15日も朝から断続的に爆音は響いていますが、子どもたちは集まってきていて「少し落ち着いている」と先生たちも安心した様子でした。夜眠れていないのか、目の下にくまができている子どもが多いのが気になりました。

子どもの栄養改善事業のフィールド・ワーカーのハルダと私は、1ヶ月ぶりにこの幼稚園を訪ねました。
1ヶ月前、私たちは幼稚園で母親たちから話を聞いていました。「豆さえ食べられなくない」「肉屋から骨を無料で分けてもらってトマトとジャガイモと一緒に煮込んでいる」と母親たちは訴えていました。
幼稚園の先生たちは、幼稚園の運営母体の慈善団体に相談し、幼稚園自体の経済状況も厳しいのですが、独自で週に1回の給食を始めました。

ちょうど今日は給食の日でした。子どもたちはお利口に座って待っています。メニューはお肉入りのご飯でした。先生たちは、ご飯に必ずお肉が入っていることを確認してから配っていきます。ある女の子は、隣の席の年下の男の子に先にご飯を渡しました。それを見ていた先生はすぐに彼女にもご飯の入ったお皿を手渡し、優しく声をかけました。
サマープログラムでの果物はメロンの予定で.食事の後、子どもたちが遊んでから一休みするときに出す予定です。

ハルダは、「母親たちの訴えが、給食につながったことを嬉しく思います。幼稚園は給食や水を用意し、私たちはビスケットと果物、遊びのための教材を提供しています。こうやって一緒にすることが大切です。子どもたちが少しでも楽しく元気に過ごして欲しいです」と言いました。

私たちが幼稚園を出てから数分後、ちょうど車で事務所に着いたところで、地響きが伴う大きな爆音が2発鳴り響きました。ハルダと「これは空爆」と心配していたら、今度は救急車のサイレンが聞こえてきて、事務所の前の通りを猛スピードで走っていきました。
ハルダはラジオを聴いて驚いています。空爆は幼稚園から通り2つ先ぐらいの民家でおきました。一人が死亡、数人がけがをしたとのことです。
私たちはすぐに幼稚園に電話をしました。爆音はひどかったけれど、子どもたちは大丈夫、とのことでした。
子どもたちのささやかな楽しい時間とそれをみんなが協力して可能になったという喜びは、爆音と共に消え去ってしましたようです。
多くの人が電話でお互いの安否を確認し合っているようで、携帯電話は通じにくくなってしまいました。(7月15日)

静かに進む悪化
ガザでは断続的に爆音が響いています。道端のごみ収集場所にはごみが溜まり、その場所ですでに焼き始めていて、火がくすぶっています。ごみ収集車用のガソリンややごみそのものを燃やすための燃料も不足しているとのことです。

水の確保は重要で、飲料水のポリ容器を積んだロバの荷車やポリ容器の水を抱えて歩く男性たちを見かけます。
人々の生活は、電気があるかどうかに、左右されていると言います。電気がくれば、真夜中でもテレビをつけて見始めるようです。みんなが一斉に電気を使うせいか、電気そのものがダウンしてしまうこともあります。発電機があるところも、電気の使用量や機械そのものの問題で不安定だったり止まったりもしています。燃料を節約しながらの利用です。発電機をまわす音は、偵察機の音とも似ていてその音も疲れます。
物流専用のカリニ検問所は開いているようですが、何が入ってくるかは必ずしもガザの人々のニーズではないようです、国連職員から、ガザを市場とするイスラエル企業から大量のポテトチップスやジュースが入ってきたとの話を聞きました。

「人間の大地」のガザセンターには、約30人の栄養失調児が栄養食のために集まってきていました。集まって来る人数は日々状況が違います。先週からはセンターに来なくなった人たちが出ています。センターに来ている子どもたちの体重は必ずしも増えてきていないようです。週に3回、2食の栄養食だけでは、十分ではありません。栄養失調が悪化しないことを何とか願うばかりです。
3人の母親から話を聞いたところ、全員いつお肉を食べたか覚えてさえいませんでした。
新しく採用になった保健指導員のヒンディは、「センターに来なくなっている栄養失調児」の家庭の訪問に回っていました。代表のイテダルは「家に十分に食べ物がないなか、子どもたちはどうしているのか把握して、次の対策を考えなければなりません。センターに来られないことで子どもの問題が忘れ去られてはいけません」と言いました。

長引く軍事侵攻やそれに伴う経済基盤の破壊のなかで経済活動は更に停滞、電気や水も保証されず、人々の生活は徐々に悪化してきていることを感じます。(7月16日)


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