9月16日(火)、JVCが支援するガザでの「栄養改善プロジェクト」が始まりました。このプロジェクトは栄養補助を目的に、ガザの幼稚園児に毎日1パックの牛乳と栄養ビスケットを飲食してもらうものです。アメリカのNGO、ANERA(American Near East Refugee Aid)やイギリスのNGO、Islamic Reliefなどと共同で実施しており、園児のお母さんへの栄養教育も盛り込むことで、コミュニティー全体の栄養に関する感心の育成も図っています。25の幼稚園に通う約2000人の園児を支援しています。

「ミルクプロジェクト」の名前で2月から開始したプロジェクトの発展版です。配布する牛乳はナブルスの牛乳工場から購入し、国際NGOが輸送受け持つことで、商品の輸送が最大の問題であるナブルスの工場を助けることにもなっています。
長期化する封鎖政策、移動の制限や外出禁止令により、パレスチナの経済の悪化は深刻で、失業率は50%を超えています。とくにガザでは一人の稼ぎ手が平均で18人を養っているとも言われ、また一日US$2に満たない貧困率が75%と言われています(世界銀行2003年5月調べ)。このような状況下のガザでは、食糧を購入するために61.4%の家庭が借金をし、25.1%の家庭が所持品を売却していると報告されています(ジョンズ・ホプキンズ大学2002年9月調べ)。さらには、家屋破壊で全ての財産を失い、ホームレス化するケースが後を絶ちません。2003年1月−3月の期間だけでも300家族が家を失ったと国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は報告しています。
このような厳しい経済状況の中、ガザではとくに栄養失調が蔓延しています。ガザの5歳以下の子どもたちの13.3%が急性栄養失調、17.5%が慢性栄養失調であり、加えて44%が貧血症であることが報告されています(ジョンズ・ホプキンズ大学2002年9月調べ)。パレスチナの栄養失調はマイクロ・ニュートリエント(微量栄養素)欠乏症と言われ、世界保健機構が「隠れた飢餓」と呼ぶものです。マイクロ・ニュートリエント欠乏症の子どもたちは正常に成長することが出来ず、彼らの認識力・免疫システムは損傷され、精神的・身体的能力は弱められます。パレスチナ難民救済事業機関は「パレスチナの一世代の精神的・身体的成長が危機にさらされている」と警鐘を鳴らしています。
配布開始の9月16日、ジャバリア・キャンプの幼稚園を訪れました。西岸の子どもたちに比べてガザの子どもたちは小さく細く、また元気がないように見えます。それでも、配った牛乳とビスケットを喜んで飲んで食べてくれました。これを毎日続けることで、少しずつでも元気を取り戻し、子どもたちの健やかな成長に繋がればと願っています。
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