2011年8月の記事一覧
友人のモルドバ人女性がサワンを去る。何人か集まって一緒にご飯を食べるが、もちろん私はカオパンサーで禁酒(カオパンサーについては8月1日の記事参照)。その後彼女が最近新しくできたディスコに行きたいというので、これもシラフでディスコ。しかしこれが狭い町サワンだけに、ご近所さんに見つかる。
既にデキアガッているご近所さんたち。カオパンサーだから、と何度も説明しているのに、ビールを飲ませようとする。終いには首を押さえて飲ませようとまで。笑って付き合っていた私も少しいやになってくる。しまいにはよそ見している隙にコーラにビールを混ぜられ、口に含んだ際に異変を感じてトイレに行って吐き出す。口をゆすいで、一路出口へ。
シラフで眺める酔っ払いの世界はろくなもんじゃない、とも言えるが、酒飲みの名誉にかけてこうも言いたい。彼らはバカ騒ぎが好きなだけ、真に酒を愛するものはああいうことはしない。しかしそれでも、カオパンサーの禁酒を続けるいい励みになった事件と言えるかもしれません。
ある村のSRI田を見に行ったときのこと。洪水の名残で、田んぼ脇の水路も勢いよく水が走っている。するとその水路にはしっかり魚を獲る仕掛けがしてある。
今回のアサポン郡のような大規模な洪水は稀だが、ある程度の規模の洪水は村によっては毎年であり、数日で収まる分には川から肥沃な土を運んできてくれたりもする。村人はこうして洪水と付き合っているのでしょう。
ある村に入る道にある橋が、洪水で落ちた。村で仕事があるのに、これは困った。しかし車では渡れないが、徒歩では渡れる、ということで車を停めて歩いて渡ることに。村まであまり遠くないところなので良かったが、雨季の村入りというのはなかなかに大変なものです。
ラオス版ジェットスキー、というわけではなく、ハンディートラクターに荷台を付けた乗り物で村に入る村人たち。洪水被害が発生しているというわけではなく、この村は毎年このようになる。川が流れており、そこから小高くなったところに村があるからだ。
ハンディートラクターは村人にとって大切な移動手段。私も乗ったことはあるが、乗り心地がいいと言えばウソになる。しかし村人は炎天下をけっこうな距離でもこれで移動しています。
JVCの稲作技術支援は水田向けのものだが、対象村の一部の村人にとって水田での稲作と同様に大切なのが、移動式耕作(焼畑農業)による山地での混栽。水田のように一ヶ所でお米ばかりを育てるのではなく、芋をはじめとした様々な作物を植えている。
先日魚の養殖研修である村を訪れた際のこと。実地研修を行った池の周りは焼畑地。小用をと思い席を外したのだが、すみっこに行くまでアチコチにヒョコヒョコと芽が出ているため、歩くのに注意が要る。また、土壌には肥料になるとはいえ、直接作物に尿がかかるのは気が引けるので、場所の選定に時間がかかる。アチコチで様々な種類の食べ物が育つなんて、これはなかなか収穫が楽しそう?などと思ったが、準備は大変だろう。森林に負荷をかけすぎない持続的な焼畑農業を行うためには、村人にとって十分な耕作地があることが条件となる。
以前カンボジアにもいたが、農村の風景における違いとして気がつくのが、家畜の数の違い。ラオスではカンボジアと比べて家畜の数が少なく感じることがある。これには、より森林の豊かなラオスでは放し飼いをしていて、家畜が村人の居住地から遠くにいるため、少なく感じる、という印象の問題が一つある。同時に、主にタイを通じてハンディートラクターが入ってきているラオスでは、それまで田起こしを担っていた水牛を売ってハンディートラクターに換えた人がいるため、実際に家畜の数が少ないと思われる。
先日ある村で、村人と今後どのような活動に興味があるのかを話し合う機会があった。様々な活動が挙がったが、一番人気は水牛で2番人気が牛。そして興味深かったのは、これらの2つを除いて再投票すると、トラクターが一番だったこと。田起こしの道具は大事だが、水牛>トラクター、ということなのだろうか。トラクターは便利だが、石油を消費し、そして田畑の養分となる糞はしない。例え購入が可能でも、ベストの選択かどうかは、その家庭の状況、事情によるでしょう。
名前:センチャン
苗字:ポンマンチャン
ポジション:森林プロジェクトオフィサー
年齢:31歳
出身:ビエンチャン県
JVC歴:2011年3月より
家族:弟がいます。既婚です。素晴らしい妻とかわいらしい娘がいます。
好きな食べ物:豚肉、日本の食べ物ではワサビが好きです
趣味:家族と過ごすこと
日本について知っていること:
日本人は規則について厳しく、まとまりがあります。
会員、支援者の方に一言:
ラオスの発展を助けていただきありがとうございます。ラオスの人々、特に農村部の人々は未だ貧しいので、引き続き支援していただければと思います。
平野から一言:
GPS(全地球測位システム)を使っての地図の作成などについては、事務所で一番の技術を持ちます。もともと産業植林の会社で働いていたのですが、村人と揉め事が頻発するのに嫌気が差し、同じ技術を駆使しつつ村人の森を守る活動に転向した人材です。写真はちょっと構えていますが、丸っこい外見に人の良い笑顔で、誰とでも親しめる人柄です。歳はまだ若いですが、結婚して子どもがいるせいか、体格のせいか、お父さん的な印象を与える落ち着いた人物です。
7月15日を持って雨安居入り(カオパンサー)。これから10月12日までの約3ヶ月、僧侶は遊行に出ず、一箇所に留まることで雨季に繁殖する動物たちの無益な殺生を避ける。一般のラオス人も、結婚式や家の新築などは控え、一部の人たちは禁酒などの節制を行う。
とはいえ節制まで実際に行うのはごく一部の人。しかし総勢16名のJVCラオスには、4名もの禁酒実践者がいるのだ!ラオス人リーダーのフンパン兄さん、農業チームセンスリー、運転手のホム兄さん、そして私。揃いも揃っての酒好き。土曜日の夕方フンパン兄さん呼ばれて家に行くと、いつもいる顔ぶれである。見方を変えると、大きなレースだけ5,000円程度馬券を買う、というような人に競馬断ちが必要ないように、普段からあまり飲まない人に酒断ちは必要ない、ということとも言える。
しかしこれは大変な覚悟である。既に2週間以上が経過したが、あと70日以上あるのである。ああ、書いてしまった。全世界に発信してしまった。退路なんかもうねえんだよっ…!©賭博黙示録カイジ