2004年3月の記事一覧
マンスール教育病院に行くと、Drマーゼンが忙しそうに
「これからCPAの人たちが来るので…」
と打ち合わせが中断になった。病室に林医師を案内していたら、CPA関連やアメリカのガン協会のお偉いさんやらがどかどかとやって来る。みんな防弾チョッキを着ているし、銃を持った護衛がついている。
「病院の中でも彼らは狙われるんだろうか。だとすると危なくてしょうがない。流れ弾でも患者に当たったらどうするんだろう。」
と首をかしげてしまう。
フォトジャーナリストの森住卓さんが1998年に撮影したサファアという女の子の写真がある。5年たった今、彼女は元気に学校に通っているという。
イラクでは白血病になると1年くらいで死んでいく子どもが多い。サファアは、治療が成功した例だ。
ガンや白血病の小児病棟の支援活動の中で、医師の要望を尋ねることが多い。しかし、一方通行の「与える」支援になっていないか、これで良いのかと考え込むこともある。
支援の薬品は安価なものではなく、購入資金が日本での寄付である以上、予算枠から必要十分な量の薬を購入できずに悩むこともある。
2月8日(日)、バグダッドのマンスール教育病院を訪問した。この日を境に、病院の名前は「子ども福祉教育病院」になっていた。医師の話では、こちらの方が元々の名前で、『マンスール』と言うのはサダム・フセインが後からつけた名前だと言う。つまりは元の名前に戻ったわけだ。
シーア派のイスラム教徒は、預言者モハメッドの孫フセインを神格化している。彼が殺された日は、同じ痛みを分かち合おうと自ら身体を鞭打つ。ダンスのように歌いながら胸を叩いたりするが場合によっては血が出るまで鎖で鞭打つ人もいる。これがアシュラーのお祭りだ。