経済状況
イラク政府の公式発表の数字によれば、イラク産原油の採掘設備の修復が予定通り進捗し、原油輸出量は計画通りの回復を見せている。2008年前半までは世界的な原油高の傾向が後押しし、イラク政府の石油輸出収入も当初予算以上に拡大したが、後半の石油価格の値下がりにより、最終的には政府の歳入は計画値を下回り、予算カットが進められている。失業率が60%とも言われの高いイラクの中でかなりの人数が政府関係の仕事を得ているが、待遇改善のために今年前半に給与の引き上げが行われた一方で、後半の歳入減に伴い、首切りが増えたとの話もある。
一方、イラク国民の60%は配給食糧に頼っているという状況が続き、危機回避の上でも政府による食料配給システム(PDS)の維持が求められているが、世界的な食糧価格の高騰を受けて調達価格が高騰し、既に以前から起きていた不十分な政府機能や配給段階での汚職、着服もあいまって、末端では配給食糧の質の低下や配給の遅延が起きている。国内避難民も原則として配給カードを持っていれば配給を受けられるが、避難先での登録が進まないと、配給食糧にありつけない層も依然として減らない。
また、IMFと世銀の指導によるイラク国際協約(ICI)や国家開発目標(NDS)などの縛りにより、イラク政府は歳入と歳出のバランスを求められており、このために食料配給についても首相府のイニシアチブにより民営化への圧力が高まっている。拙速な民営化によるサービスの低下が人道支援NGOや国連機関の間で懸念されている。
そのほか、一般市民の生活に不可欠な電気、ガス、水道などのサービスの復旧は相変わらず遅れている。夏季の冷房需要が一服している季節要因により需給が安定している現在の電気の供給状況は、バグダッドで1日の半分以上は供給されるなど、一定の改善が見られるが、供給側の設備の著しい改善が進んでいない現状では、いずれ需要が増えた際に改めて供給不足になることが懸念される。
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