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2008/6/4版

2008年度イラク事業インターン 森 若奈
2008年6月 5日 更新

イラク国内避難民の今

2006年2月のサーマッラーにおける、シーア派モスクへのテロ以降、イラクでは治安が大幅に悪化した。それ以降、吹き荒れる暴力の嵐によって、240万人の避難民と、200万人を越える国内避難民(Internally Displaced People、以下IDP)が発生している。[1]

IOM(国際移住機関)は2008年6月1日付けの報告書において、IDPの推計が270万人にのぼるとする。これは、2007年の9月1日に発表された数字よりも、50万人増加したことを示している。[2]
この半年間、一体イラクでは何が起こったのであろうか? 国内避難民の発生に関係する事柄を、IOMのレポートを参考にまとめた。

日付 サーマッラー
以降のIDP
の数
概算IDP数 主な出来事
2007/09/01 1,011,870 2,2million 一部の県の避難民の受け入れ規制
2007/10/15 1,050,000 2,25million クルド自治州のトルコ国境緊迫
2007/11/15 1,050,000 2,25million ・トルコの攻撃により北部で新たな避難民
・避難民の帰還が伝えられる
2007/12/01 1,200,000 2,4million 近隣国からの帰還がピークに
2008/02/01 1,270,000 2,5million キルクーク,サラーハッディーンで民兵組織と多国籍軍/覚醒軍との戦闘で、避難民が発生
2008/03/01 1,285,000 2,5million ・モースルにおける多国籍軍の作戦で、避難民が小規模発生
・アンバール県でのイスラーム政党と覚醒軍の間の緊張で、避難民発生
2008/03/15 1,504,000 2,7million ・ニーナワー県での多国籍軍の作戦で、更なる避難民
・ディヤーラー県では、IDPの帰還が新たなIDPを生む
2008/04/01 1,504,000 2,7million バスラ危機
2008/05/15 1,504,000 2,7million ・モースルでの作戦が本格化、小規模の避難民発生
・政府の不法占拠IDPに対する取り締まり

避難民の増加をIOMが伝える一方、イラク赤新月社協会は5月28日付けのレポートで、IDPの数を217万人と発表した。[3]UNHCRによると、イラクのMoDM(Ministry of Displaced and Migration)は2008年の3月までに7,600家族(約46,000人)がバグダッドへ帰還したと発表し、イラク赤新月社協会は2008年2月半ばまでにシリアから帰還した49,800人のうち、83%がバグダッドに帰還したと発表している。[1]

UNHCRによると、IDPのうち60%はバグダッドに居住しており、82%は女性と12歳以下の子どもである。イラク政府は、IDPに対して食糧配給を行っていたが、1月30日のAzzaman紙は、政府が6月までに食糧配給を停止すると報道した。しかし、財務省の官僚は、この動きに反対し、食糧配給の停止により食糧価格の高騰が起きることを憂慮している。[1]

また、ムサンナー県は不法占拠をしている者に対して、2週間以内の退去を命じた、IOMによると、「多くのIDPは、余裕がないためにそこに暮らしている」という。今、イラクのIDPは、彼らの一時的不法占拠に対して、中央政府や地方政府からの圧力を受けている。[4]

IDPを取り巻く状況は依然厳しく、彼らは飲料水の不足にも直面しており、政府の限られた食糧配給で生き延びている家庭もある。[5]

IDPの苦境を受けて、積極的に行動する国会議員も存在する。国会の避難民・移民委員会議長のアブドゥル-ハリク議員は、「政府が難民問題に対処する明確な政策を示さないため、周辺国のイラク避難民と、IDPは地域的・国際的な問題になっている」と警鐘を鳴らす。委員会は2008年の初めから、石油収入の3-5%をIDP支援に充てることを提案しているが、未だ実現には至っていない。[6]

ニュースソース

[1] UNHCR, IRAQ Situation Update April-May 2008

[2] IOM Iraq General Library

[3] Iraqi Red Crescent Organization, 2008/05/028

[4] Returns Erratic as Authorities Clamp Down on Illegal IDP Settlements in Iraq, IOM, 2008/05/20

[5] Return of displaced Iraqis erratic, UPI, 2008/05/28

[6] Government negligent in tackling human displacement, IRIN, 2008/05/13


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