カンボジア現地通信
駐在員の大村です。前回は、事業地の新型コロナウィルスの影響について更新しました。私は引き続き、日本から遠隔でカンボジアのスタッフとともに業務にあたっています。
3週間以上、新規感染者ゼロ!
5月4日のカンボジア保健省の発表によれば、カンボジアは4月13日から新規感染者ゼロ!が続いています。累計感染者は122名、累計治癒者は120名、入院中が2名です。感染経路は、何かしらの海外由来がほとんどです。このまま落ち着いていくことを願うばかりです。
駐在員の大村です。COVID-19の感染拡大が世界各地で進んでいます。カンボジアでは、4月12日現在の陽性者が122名となっています。海外からの旅行者の集団感染や、何かしらの海外由来の感染が多数を占めていることから、カンボジアでは「外国」がひとつのキーワードになっているように思います。
現在、JVC事業地は保健局からの集会や外出の自粛が驚くほど浸透しており、事業地が地元のスタッフですら、他の村に出入りすることに抵抗を持っている状態です。スタッフのポクは、バイクで20分の場所で開催される結婚式への参加を親に止められたり、とにかく「出歩かない」「集まらない」ということが村でも徹底されています。
この状況下で、人が集まる研修や各種活動をおこなうことは適切ではない、と判断したため、現在私たちのチームは、活動を全面的に停止しています。とはいえ、自分たちで管理している試験農場や、毎年5月頃から始まる雨季の前に掘削を終えたいため池の進捗管理などの業務はあるので、毎日1-2名のスタッフがシフト制で出勤し、無理のない範囲で勤務しています。
今年度は7月に会議にともなう一時帰国があったのでイレギュラーだったのですが、JVCの駐在員は1年に1度、約1ヶ月の一時帰国があり、私は11月から約1ヶ月間、一時帰国をしていました。今回は日本での出来事を綴っていきたいと思います。
私たちに何ができる?みんなで考えるはじめてのSDGs
今回の一時帰国で驚いたのは、以前よりも明らかに「SDGs」という文字を電車の広告などで見かけるようになったこと。えっこれは関係なくない?(笑)というSDGsロゴ入りの広告を目にすることもありましたが、全体としてSDGsを推進することがかっこいい社会にありつつあるのかな?と、変化を感じました。
そんな中ゲストとして登壇させていただいたのが、私たちに何ができる?みんなで考えるはじめてのSDGsというイベント。コモンズ投信の渋澤さんと、ジャーナリストの堀潤さんの対談に、NGO・NPOから3人がパネリストとしてご一緒させていただき、ざっくばらんに意見交換をおこないました。いくつか質問をいただいた中で自分自身、色々と考えるきっかけになったのは、「大村さんにとって寄付とは何ですか?」というシンプルな質問でした。
駐在員の一日(事業地編)に続いて、月に1~2度ある首都・プノンペン出張編をお届けしたいと思います。
車で4~5時間、まったく違う風景
プノンペンへはJVCの車かバス(片道11ドル)で移動します。(国内線の飛行機も頻繁に飛んでいるので、ビジネスマンは空路移動が多いと思います)。事業地から早いときで4時間、渋滞があると5時間くらいで到着します。経済発展まっただ中の首都・プノンペン。普段とはまったく違う景色が広がります。
11月の中旬から1ヶ月、一時帰国をしていました。イベントでお会いした方に、「普段はどのように仕事をされているのですか」と聞かれたり、メールでの問い合わせで「一日のスケジュールを教えてください」などの質問をいただくことが続いたので、今回は「駐在員の一日」を綴ってみたいと思います。まずは事業地編。
7:30|朝礼 カンボジアの朝は早い!
カンボジアでは多くの企業や団体が、7:30や8:00に始業します。日本と比べると早いですよね。常夏の国なので、涼しい朝のうちから働いて、一番暑い時間帯(昼)はゆっくり休む、という文化です。JVCカンボジアは7:30スタートです。まずは朝礼から。
(その②からの続き)
初出荷の日
7月のはじめに迎えた初出荷の日。チョムノーさんは初出荷の日にどうしてもの用事で外出しており、JVCが代理収穫したので画像がないのですが、ボッパーさんはしっかり密着できたので、その様子をお伝えします。
初収穫から、出荷までの様子を動画にまとめているので、まずはこちらをご覧ください。本当に嬉しそうで、こちらが笑顔になってしまいました。
(その①からの続き)
栽培研修
ボッパーさんとチョムノーさん。「レストランへの出荷にチャレンジしてみたい」という2人の女性に対して、JVCはコリアンダーの栽培研修を実施しました。3月にシェムリアップへの視察を行い、この栽培研修は4月の終わり頃の話です。
実はずっとずっと書きたかったけれど、ブログにできていなかった嬉しい活動成果があります。今日から数回、その報告をします。ちなみにこういった出来事は、Facebookページではほぼオンタイムで更新していたりします。アカウントをお持ちの方は、ぜひFacebookもフォローをお願いします!
シェムリアップへのスタディツアー
時は遡り、3月。JVCの活動地には、過去の活動の成果から、ご自身の力で家庭菜園を広げ、自給を達成している農家さんが複数います。以前に紹介したボッパーさんも、その1人。ボッパーさんは、ご自身で余剰分の野菜を仲介人に販売したりしていましたが、「売る場所があったらもっと挑戦したい」という明確な意思を持つ方でした。車で1時間の距離にシェムリアップという一大観光地があるJVC事業地。村以外の社会の様子を直に見る機会を設けることは、ボッパーさんのような方にとても効果的だと考えたJVCは、そのような方々に向け、シェムリアップの街へのスタディツアーを実施しました。声をかけて、参加希望があり、且つ予定が合った4農家さんとともに、シェムリアップの街へ。
レモングラスに続いて・・
前回紹介したレモングラスの初出荷!に続いて、追加でパッションフルーツの葉っぱとモリンガの発注をいただきました。前回ドライレモングラスの研修をしたドンソック村の皆さんと、今回はロカー村の皆さんに声をかけて、研修スタート。
パッションフルーツの葉っぱ
Demeterさんでは、最近パッションフルーツの葉を使ったお茶の人気が出ているそう。色々な商品があって、どれも素敵で、いつも目移りしてしまいます。
ぐんぐん成長!
ため池の周りに植えたレモングラスがぐんぐん成長したので、10月に入ってから皆で収穫しました。このレモングラス、プノンペンを拠点としてハーブティーなどを製造販売されているROSELLE STONES KHMERという会社が、Demeterというハーブティーのブランドの原料として買いたい、と言ってくれました!
ROSELLE STONES KHMERは、もともとNGO職員として働いていた日本人女性が、カンボジアの自然の恵みを最大限に利用し、生産者、雇用者、購入者全てを大切にするエシカル製品を作ろう、と立ち上げた会社です。カンボジアにはこのような、いわゆる「ソーシャルビジネス」の会社がたくさんあり、赴任して1年半、私はJVCと農家さんだけで何かをする、というよりも、このような人たちと協力しあうことで、可能性をもっと広げていけるのではないか?と感じています。